アメリカンパワー
「ちょっと………離れなさいよスフィカ!」
「なんで嫌がるの凜ー!バイバイのチューしたいだけなのニ………」
さよならの挨拶を終えた教室。
転入生のスフィカが凜に抱きつき頬にキスをしようと迫るプチカオス。
「文化の違い!私はバイバイのチ………そんなの知らないから!とりあえず、ここにいる私の友達に挨拶したら!?」
「オー、それは確かにそうなのでス」
パッと凜から離れ、私たちの方へ向き直るスフィカ。
「それでハッ、改めましテ、アメリカ領から留学してきましたスフィカ・テロースでス!」
美しい金髪を靡かせながら、ペコっと腰を折るスフィカ。
先程の様子を見る限りはたしてどんな子なのかと心配したが、お辞儀まで出来ている点、心配は不要そうだ。
そんなスフィカの自己紹介にいち早く反応したのは――――――
「私は幸!た…………中嶺幸だ。よろしくな!」
あ、噛んだ。
「な」を「た」と噛むなんて、幸なら初対面の人にも物怖じせず話せそうなのに…………ちょっと意外だ。
名乗りを終えた幸は、自らの背後に隠れる小動物じみた夕を前えと押し出した。
「え、あの…………く、黒森、夕です……よ、よろしく、お願い、します」
名乗り、すごすごと頭を垂れ、即親元である幸の背後へ戻る。
親元から離れない夕のかわいらしい行動に胸をうたれたらしいスフィカは、両手を頬に当ててクネクネしている。
「あ、次は私かな?えーと、新城紗愛っていいます!よろし――――――」
特に捻りもなく無難に自己紹介をしようと思ったが、それを終える前に私の方へスフィカが猛進してきた。
「こちらこそよろしくなのですヨッ!チュッ!」
「はっ……………ええぇえぇぇえええ!!?」
キッ、キキキキキスされちゃった…………ほっぺただけど…………女の子に!
どうやら先程の夕の挨拶で完全に入ってはいけないスイッチが入ってしまったらしいスフィカはギンッと幸へ視線ビームを放つ。
ターゲットされた幸は冷や汗を垂らしながらたじろぐ。
「幸ーーーーー!!」
「うおおおおお!!」
教室内にて始まった、幸とスフィカの縦横無尽の鬼ごっこ。
しかし中々追いつけないと悟ったスフィカは早々にターゲットを改めた。
「えっ……………」
「夕ちゃーーーーン!!」
超至近距離でのターゲット変更だったため、逃げる暇もなく夕がスフィカの両手に捕縛される。
そしてそのまま―――――――――
「夕、よろしくネッ!チュッ!」
私の時と同じく頬にキスを打ち込む。
それはさながら実弾のような威力を発揮し、夕はペンキでも塗りたくったかのように顔を朱に染めてその場に倒れ込んだ。
それを見た幸が己の危険を考えず夕に駆け寄る。
「おい、夕!大丈夫か!しっかりし……………ろ」
「はーい幸ちゃン、捕まえたのですヨー」
必死に抵抗する幸だが、既に幸には脱する術はない。
幸が弱々しく助けを求める視線を送ってくるが、そんな弱った幸が果てしなく可愛い上にこの光景にどことなくドキドキ感を感じている私は動けない。
否、動きたくない。
そのまま押し倒され、息を荒らげるスフィカに………
「ちょっと、もうやめなさいって。中嶺さん嫌がっているでしょう」
「むー!ただの挨拶ですヨー」
「そういって、あなたが一方的に迫っているだけでしょう……………ほら、離れる」
グイッと腕を引かれるスフィカは「あー」と悔しそうに幸から引き離される。
その下から現れたのは目を回した幸。
他人に圧倒される幸なんて初めて見たよ…………。
出来ることなら葉菜にも見せてあげたかった。
恐るべし、アメリカンパワー…………!!
こんばんは!イロハです!
あるいはおはようございますこんにちは!
一週間ぶりの投稿になります。
お待ち頂いた方、すみません。
また日曜日水曜日な週2回投稿にもどります!
さて随分とまーぶっ飛んだ感じの
キャラが登場となります。
今まで比較的普通と言った感じの
キャラクターが多かった本作ですが、
ここから個性爆発で行きまーす!楽しいーー!
さて、それでは今回はここで終わります。
ブクマや感想などお待ちしております!
それではまた次回。ありがとうございました。
※Twitterもアルヨ!!
(https://twitter.com/iroha_TETUHANA)
【次回投稿予定日は 2月26日 22時 です】




