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鉄の世界に咲く花は  作者: イロハ
惨劇の予兆
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自己紹介

4年越しに座った………否、座らされたソファの向かい側には件の3人。

オレは改めて得体の知れない謎家族をまじまじと見る。


大人の男、まあ恐らくはチビの父親で間違いないだろう。

短くツンツンとした茶髪が似合う、高い背にがっしりした背中は一家の大黒柱の雰囲気を纏っている。

立派な顎髭からパッと見怖そうな印象を受けるが、瞳に宿る光は実に穏やかで、父性が漂っているように見える。


次いで女の方。

こちらも母親で間違いなさそうだ。

背中の真ん中ほどまである金髪を後ろで1つに束ねている。

男が隣にいるせいで、細い体がより一層細く華奢に見える。


そして女の膝に座るチビ。

母と同じ長い金髪が目を引く。

こちらは髪を纏めずに腰まで届くような長い髪をそのまま垂らしている。

座っているため床にまで届いている。



ってか、ソファっていいな………。

久しぶりに座ったがとても心地がいい。


『お父さん、リュト、何かこの子に聞きたいことがあったら聞いてね。私が通訳するから』


女が2人に何やら話しかける。

続いて俺の方を向き、笑顔でこう言った。


「何か質問したいことがあったら言って。私が2人に通訳するから」


「だから!!さっきから聞いてるだろ!?お前らはだれで、ここはどこで、オレをどうする気だ!ぜんぶ答えろ!!」


女が失質問を要求した途端オレはソファを殴りながら怒鳴る。

その声にビビったのかチビが男の後ろにサッと隠れた。

オレの怒涛の質問を受け、女はフゥと息をついたあと、順番に答えはじめた。


「まず、ここは私たち3人家族の家よ。いきなり気を失ってしまったあなたを私と夫で運んだの」


普通に考えれば命の恩人、感謝もしなければならないのだろうが、今のオレにそんな余裕は微塵もない。

ホームレスのオレが目を覚ましたらそこは見知らぬ家のベッドの上だなんて、そう簡単に気を許せるはずもない。


とりあえずこいつらは家族なんだな。

それと場所の正体だけはわかった。


「次は自己紹介でもしようかしら。私はクイラ。この子の母で、この人の妻よ」


クイラと名乗った女は夫の背中を右手でたたきながら自己紹介をした。


『ほら、自己紹介をして。私は今したわ』


クイラは謎言葉で男に話しかける。

クイラの言葉を受けた男はクイラの通訳を介しながら自己紹介を始めた。


『俺はグラフだ。先にクイラが言ったかもしれんが、クイラの夫で、リュトの父親だ。よろしくな』


こいつはグラフというのか。

グラフは自らの背に隠れるチビに声をかけ、膝の上に座らせた。

オレと再対面したチビはビビっているのか恥ずかしいのかの狭間のような声音で自己紹介を始めた。


『わたしはリュト、だよ。8さいです………』


簡潔な自己紹介のあと、リュトは再びグラフの後ろに隠れた。

顔だけ出してオレを伺っているようだ。


「簡単にだけれど、これで私たちの自己紹介は終わりよ。あなたの名前はなんて言うの?」


「オレの………名前、か?」


クイラの問にオレは答えられずにいた。

その理由は―――――――


「名前は、わすれた。4年間ひつようなかったものだからな」


オレは淡々と答えた。

ウソは言っていない。

オレは本当に自分の名前を忘れてしまっている。


今となってはそんなものは必要ないと思っているが。

名前があろうとなかろうと、「オレ」が「オレ」であることには変わりはないんだから。

こんばんは!イロハです!

あるいはおはようございますこんにちは!


家族3人の名前が明らかになりました。

果たして「オレ」はこの3人とどのようなお話を

繰り広げるのか。

ぜひお楽しみに!


ここ最近作者イロハが地味に忙しく、

この後示す投稿予定日に投稿できない

可能性が大いにあります………すみません。

一応目安程度に思ってもらえればありがたいです。


それでは、また次回……と。

さよーならー!


【次回投稿予定日は 9月19日 です】

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