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鉄の世界に咲く花は  作者: イロハ
一年生
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さあプレゼントを開けよう! #1

凜が手に持つ箱に、幸以外のみなが注目する。

箱が開かれ、そこにたたずんでいたプレゼントは――――


「これは……ペン、かしら?」


「そう!おしゃれな万年筆!」


箱の中身はやわらかな緩衝材に包まれた万年筆。

黒が基調の本体には金色の装飾が施されており、ペンのフタには煌めく赤色でロゴが彫られている。


「とっても綺麗ね……結構高かったわよね?」


「おいおいー凜、プレゼントの値段を聞くなんて、野暮じゃないのかい?」


「……それもそうね、ありがとう中嶺さん、大切にするわ」


凜はそういうものの、私は正直あのペンの値段がとても気になる。

なぜならとてもあのペンが欲しいからだ。

ツヤツヤとしたペンに一瞬で魅力されてしまった。


後でコソッと教えてもらおう。

それで手が届きそうだったら買おうかな……。


凜は一度ペンを箱に丁寧に戻し、続いて葉菜からのプレゼントボックスを手に取った。


「次は永咲さんからの箱ね。開けてもいいかしら?」


「もちろん!気に入ってくれるといいな」


箱を開けると、そこには薄いピンクの長財布。

それを凜は箱から取り出し、パカっと開けてパチっと閉じて。


「すごい、中までデザインがたくさん……永咲さん、素敵なお財布をありがとう」


「どういたしまして!これね、みんなでお揃いにしたんだよ!」


そういって、葉菜が自分のカバンから色違いの財布を取り出す。

次いで私含めて夕と幸も財布を取り出した。


「思えば、5人でお揃いってはじめてだねー」


葉菜の嬉しそうな声を聞き、凜はプレゼントをもらった時とは別の笑みを浮かべる。


「そうね、みんなとお揃いだもの。せっかくだからこれから使わせてもらうわ」


先程同様凜は一度プレゼントを戻す。


「次、私のやつ。こっちから、開けて、みて」


夕が2つあるプレゼントのうち、小さい方を凜に手渡す。


凜はそれを受け取り、中身を手のひらに取り出した。


「まあ、きれいな髪飾り……私に似合うかしら」


「せっかくだからつけてみろよー」


やいやいと幸が促し、凜は左側の前髪を上にあげてパチッと留めた。

普段あまりそういったものを付けていない凜が髪留めをしている姿はなんとなく新鮮味があった。


「おーー似合ってるぞ、凜!」


新鮮味はあるが似合っているのは事実。

幸と夕も拍手で褒める。


もとい茶化す。


「普段中々こういったものはつけないけれど……今度からは付けてみようかしら」


夕が拍手を止め、ふにゃっと柔らかい笑みを返す。


しかしそれも一瞬、かわいい笑顔から悪を帯びた小悪魔的笑みに切り替わり、大きいほうの袋を手渡す。


「さあ、今度、はこっちのやつ。今つけて、いるやつは、一旦外して………早く……」


「く、黒森さんどうしてそんなに急かすの?心無しか表情が怖いわよ」


夕の表情の変化に気づいた凜が怪しみながら髪留めを外す。


そして大きい袋から2つめのプレゼントを取り出す………


「いったい何が………って、私これをつけるの!?」


夕の悪い笑みの理由。

猫耳のついたカチューシャの前に凜は頬を少し赤色に染める。


「そう、だよ……凜、観念し、て付けて……!」


「はやくつけるんダー」


「ソーダソーダー」


葉菜と幸が棒読みで煽るように急かす。


私は3人に攻められる凜の肩に手を置いて言った。


「人生、時には諦めも大切なんだよ……」


「新城さんまで!そんな諭すように言わなくても……」


わたしもその場の雰囲気に合わせてカチューシャをつけるように促す。

なんせ私も猫耳凜ちゃんを見たいから。


やがて観念した凜はカチューシャを両手だ頭上へ持っていき――――――


「す、少しだけよ?」


といって渋々つけてくれた。


その後主に夕と幸からの指示に従って、顔を真っ赤に染めたまま四つん這いにさせられたり猫の手ポーズをさせられたりした凜はベッドでぐったりしていた。


「あー、堪能した……ナイスだよ、幸!」


「おっけー!凜のこんな姿、逃すわけにはいかないからね!」


「逃すわけには……って、まさか!!」


私は腰の裏に隠していた携帯をチラッと凜に見せる。


4人で事前に打ち合わせをしていた猫耳凜ちゃん撮影会。

大成功である。


直接凜に動画撮らせてとお願いすると断られそうだったからこうして作戦を立てておいたのだ。


動画を撮っていたことを告白したら携帯を奪い取られて消されるかも……という事態にそなえてなんとカメラマンは2人。

私と葉菜も同じく撮影係に回っていた。


だがしかし。

凜はそれを聞いて怒るでもなく襲ってくるでもなく、


「ま、まあ動画くらいなら別に……構わないけれど……」


………あれーー?


思ってた反応と違うぞと盗撮グループ4人で小さく円になる。


「おい、あれ面白すぎないか?」


「私もそう思う」


「凜、絶対楽しんでたよね」


「今後も、要、観察だね」


凜の逆襲を楽しみにしていたが、思いのほか主役(りん)が楽しんでくれたためまあいいか、という曖昧な終結を迎えた撮影会であった。

こんばんは!イロハです!

あるいはおはようございますこんにちは!


プレゼント開封回その壱です。


自分で書いてて、「きれいな万年筆欲しいな」と思いました。

黒、赤、金の3色って最高にかっこよくないですか?


…………自分だけですかね(苦笑)


次回はお渡し会その弐です。

とはいっても渡していないのは残り1人なので次回で終わります。


お楽しみに!それではこの辺りで終わりますー。

ありがとうございました!!


【次回投稿予定日は 8月23日 です】

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