修学旅行 #13
「お待たせしました。こちら、野菜とミル貝のクリームパスタと、セットのミニステーキになります」
一番最初に店員さんが持ってきてくれたトレーには凜の頼んだ料理が届いた。
「あっ、ありがとうございます」
凜が店員さんの顔をみながら丁寧にお礼をいい、トレーを受け取る。その後たて続けに私、夕、葉菜とそれぞれの料理が届く。
私は普通のサイズのステーキ、夕は俵ハンバーグ、葉菜は私と同じステーキの一回り大きいバージョンだ。
最後に幸の料理が届く。
タイミングは他4人と比べて若干遅めだった。
「おっ、きたきた!あざます!」
幸はいい笑顔で店員から料理を受け取る。
幸の料理が遅かった理由は、トレーの上にのるビッグサイズの鉄板、そしてその上に乗るシェフが大きさを間違えたのではと疑うようなサイズのお肉。
あのサイズであれば当然、火が通るのに時間がかかるのだろう。 肉汁溢れる巨大肉を前に幸もまたよだれが溢れるのを一心にこらえる様子がうかがえる。
「………と、とりあえずみんな揃ったことだし、食べましょうか」
凜がその肉を見て僅かに引いたような表情をしながらみなに声をかける。5人そろって手をあわせ。
「「いただきます!」」
凜はフォークを使って上品にパスタを口へ運ぶ。
クリームパスタだが、そのクリームが服に付いている、なんてことはない。
私と夕はナイフとフォークを手にお肉を一口サイズに切り分け、フォークで刺して食べる。
無論、美味しいのだが、夕の幸せそうな顔をみていると美味しさが倍増したように感じる。
葉菜は最初に机に最初から置いてあったソースを豪快にお肉にかけ、私たち同様道具を使ってお食事。
切り分けられたお肉は私たちの倍くらいのサイズに見えたのは気のせいかしら。
そして問題の幸。
サイズはもちろん問題なのだが、尚気になるのは幸はフォークはおろかナイフすら手元にない。
切り分けるつもりがないのは明らかである。
そして、切り分ける気がないのであれば食べる方法は唯一。
右手にふきんをあててお肉を持ち上げ、そのまま
「……がぶっ!っつあぁ美味え!」
微塵の遠慮もなく、肉汁を口の周りに付けながら一生懸命食べる。
その姿はさながら怪獣である。
まあ、幸せそうだからいいか………。
時間にはまだ余裕がある。
のんびりと、何気ない会話をしながらその後各々のペースで食事を進めた。
「もう!だからやめときなさいって言ったのに!」
「まさか幸があそこまで食べるとは流石に予想外だったぞ………」
「葉菜だって結構食ってたじゃんかよー」
「話を聞きなさい!」
「食べたばっかりなのに…これはキツすぎるよー…夕、大丈夫?」
「だ………いじょうぶ……はっ…はっ……」
夕はそういうものの、明らかに5人の中で一番息が上がっている。
というかヤバそう。
「でも中嶺さん、あの大きなお肉2つも食べて本当にまだ食べられるの?」
「何を言う!2つ目は半分葉菜が食べたんだ!実質食べたのは1.5個だぞ!」
「どっちにしてもおかしいのよ!それに、もうすぐで2時じゃないのよ!」
量的な問題は無いと幸は言うが、それを食べるのに費やした時間は戻ってこない。
2時まで残り3分。集合地までは全力で走って、信号につかまらなかったとしても間に合うかどうか。
つまり、遅刻の大ピンチ。
「まあ過ぎたことだ、気にせず急ぐぞ!」
「あなたが言わないで!」
ふえぇっくしょい!!ズズ…ああ~…あ!
どうも花粉と戦ってますイロハです。
お久しぶりです。本当に1ヶ月ぶりの
投稿になってしまいました(苦笑)
新生活がはじまりますねーというか既に
始まってるのかな…?何にせよ頑張りましょう!
修学旅行編、残り数話となりました。
次回もお楽しみ頂けたら幸いです!では!




