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鉄の世界に咲く花は  作者: イロハ
二捻生
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121/247

パニックの恐ろしさ

……………順番、回ってきちゃったんだよ………………。

ハナもリアも上手に出来たらしいし、フィリも、バッチリついていかないと………………。


=======================



『次はフィリか。立て続けに面倒臭い奴が来たな』


『なぬっ!?失礼な!!』


P1コックピット内へフィリが到着するや否や、年の離れた姉妹同士のような、可愛らしい小競り合いが始まる。

しかし、両の手を振り上げてプンスカするフィリは気にもとめず、安全ベルトに自らの体を固定しながらくしゃみをする先生。


『いいから座れ。さっさと始めるぞ』


『わかったよーだ。フィリ、座ります』


先生からヘルメットを受けつつ、ドフッと操縦席に座るフィリ。

幾つかの安全確認項目を先生と共にチェックしたのち、フィリの実機訓練が始まった。




『いいか、今日は飛びはしない。前進操作と翼の空気抵抗操作の確認程度だ………………おい、聞いてるか?』


『えっ!…………………もちろんなんだよ!』


目の前のレバーに視線を落とし、どこか上の空な様子のフィリに対し、先生が確認をとる。


『今日のお前、様子がおかしいぞ。こんなことお前らしくもないが、具合でも悪いか?』


『そ、そんなことは無いんだよ――――――――――でも』


『それなら早いところ始める。あまり喋っているような時間もないからな』


否定に続く、フィリの小さな言葉が先生の耳へ届くよりも早く、先生が続きの言葉を発してしまったため、フィリの訴えは狭いコックピットに霧散した。


『それでは、実機の訓練を開始する。最初は、さっきも言った通りに前進からだ』


『お、おー……………分かったんだよ』


先生の指示に従い、フィリがゆっくりとレバーを倒し始める。


『スペードにブレがないよう、一定のペースで加速していくんだ』


『了解、なんだよ』


走行スピードは割とゆっくりめ、およそ50キロから60キロ程度で進んでいる。

上がりすぎず下がりすぎず、言われた通りの速度でコントロールが出来ている。


よ、よし、ちゃんとできてる………だいじょうぶ!


『…………よし、そろそろ減速を始めろ』


な、なんだ、きんちょうって、大したことないんだな。

ちょっとおどろいたけど、ぜんぜん、問題ないんだよ。


『……………?おい、減速するんだ』


みんな、きんちょうするってプルプルしてて………全く、かっこわるいんだよ!


『フィリ!スピードを落とせ!!』


『!!?』


視線を速度メーターに固定していたフィリは、迫り来るドームの壁に気づかず、先生からの指示も右から左へと流れていくだけだった。

先生の大きな声によって漸く意識が戻ってきたが、それに対する驚きにより、レバーを力強く前へと押し込んでしまった。

当然、操縦に従順なP1はより速度を上げ、フィリは遂にパニックへと陥る。


『あ………え!ぇあっ………こう!?』


正常な判断力など既に残っていないフィリに、レバーを引くという真っ当な思考はなく、半ば無意識に右手で関係のないボタンを押し始める。


そしてこの時に押してしまったボタンが、タイヤを機内へ格納する操作。

――――――――つまり、機体を宙へと浮かせる操作だった。


『―――――――!!退けっっ!!』


パニックを起こすフィリの頭を、安全ベルトを外した先生が押し込み、強制的に姿勢を低くさせる。

座席の隣に立ち、タイヤが完全に格納されきる前に先生が操縦権を強奪する。


『クソッ………飛べ!』


リミットは残りわずか。

迫る壁に激突する前にP1は全身を持ち上げ、非常に鋭い角度で旋回を始める。

寸でのところで大破を免れた機体は着地をするべく徐々に下降していく。


『フィリ、私は姿勢のせいでボタン操作が出来ない。慌てず、落ち着いてタイヤを出すんだ』


『は、はい…………』


恐怖心からか、半べそになりながらフィリが返事をする。

震える指先でボタンを押し、タイヤが全て出揃ったところで、先生は着地するべく、機体の角度を調整していく。


『衝撃に備えろ』


そう言われ、フィリは身を固くし、レバーを握りしめる。


『着地するぞ。レバーを引け!』


『わかったんだよっ……!!』


タイヤが地面を擦ると同時に、フィリが全力でレバーを自分の方へ引っ張る。

それによってP1はみるみる減速していき、大事に至ることなく、無事P1はグラウンド上に落ち着いた。

みなさまこんばんは、イロハです。

あるいはおはようございますこんにちは。


非常に湿度が高く、蒸し暑い日々が

続いていますが、みなさま如何お過ごしですか?

イロハはたった今頭の左側面が

痛くて困っております(涙)


湿度が高いと頭痛が誘発される……………。

きっと同じ境遇の方は少なからず

いらっしゃるかと思いますが、辛いですよね………。

それでも、この季節はもう長くはないはず。

残り数日から十数日間、耐え忍びましょう(苦笑)


それでは、今回はここで終わります。

また次回も来て下さると嬉しいです。

ブクマや感想など際限なくお待ちしております!


【次回投稿予定日は 7月12日 22時 です】

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