テスト感想会
一方同時期、アメリカ領。
今日は最初のペーパーテストの返却日。
P1初搭乗時は陰鬱とした気持ちにこそなった葉菜だが、それからの自主勉強の積み重ねのおかげもあり、今はテスト返却を自信を持って待つことが出来る。
『次、葉菜』
『はい』
ヨーラ先生から名前を呼ばれ、先生の元へテストを受け取りに行く。
用紙を手に、自席へと戻ってチラッと点数を覗き見る。
『……………よし』
点数を視界にとらえた結果、自然と笑みが零れた。
合格点は優に越えられ、個人的な目標点にも届くことが出来た。
『まあまずは、クラス全員合格おめでとうと言っておこう。こんなところで躓く奴がいなくて安心した。授業についての連絡だが、実機訓練は来週の月曜日から行う。それまでに、間違えた問題の確認をしておくように』
『あーよかった、安心した……………』
『テスト前から言ってたけどね。葉菜なら余裕だって』
次の授業までの短い休憩時間に、テスト感想会が開催される。
先生も言っていた通り不合格者はいないため、曇った表情の者はおらず、皆が笑顔で和気藹々としている。
『フィリはどうだったの?』
『フィリはねー、2問だけ間違えちゃったんだよー』
『おしかったじゃない。どこを間違えたの?』
『1番最後の2問なんだよ。どっちも綴りを間違えたんだよ』
エッヘン、と両手を腰にあてがって胸を張るフィリ。
スペルミスさえなければ満点だったことを自慢したいのだろうが、スペルミスとはつまるところ―――――――――
『ちゃんと見直してなかった証拠だな』
『んなっ!!………………確かにそうだけど………………じゃあ、フィリは何点?』
痛いところを突かれ、目が「><」のようになるフィリ。
必死の抵抗と言わんばかりにリアに点数を聞き返すも、それに対する返答は、
『もちろん、満点だ』
フィリは両膝をつき、己の敗北を認めざるを得なかった。
頽れるフィリの背に手を置いて、マヤがなんとか宥めようと試みる。
『ま、まあフィリだって十分高得点なんだから………………』
『そんな気遣いなんて要らないんだよ!そういうマヤは一体何点なのさ!』
『えっ…………満点、だけど………………』
マヤの点数を知り、発狂しながら潰れていくフィリ。
今度は四つん這いどころか床にうつ伏せになっている。
そのまま妖怪のように這いずり、最終的には葉菜の前までやってきた。
『な、なに……………?』
『ハナは、何点?』
下を向いているため、こもって聞こえる小さな声が葉菜の耳にまでかろうじて届いた。
『わ、私はフィリと同じで2問間違い、だよ…………?』
それを聞いた途端、グワッとはね起きるフィリ。
数秒前とは打って変わってにこにこ顔のフィリは両手をあげ、同族を見つけた喜びで飛びつこうとしてきた。
『ハナーーー!!!』
飼い主を見つけた飼い犬の如きフィリを、葉菜は優しく迎え―――――――――
『ちょっと!そんな雑巾みたいになってる服で飛びついてこないでーー!!』
――――いれることはなかった。
みなさまこんばんは、イロハです。
あるいはおはようございますこんにちは。
気温も上がり、ダレルような日も
出てきたのではないでしょうか。
イロハはしっかり冷房を効かせた部屋で
のんびりと小説を書いております。
みなさま熱中症や流行病には
十分にお気をつけくださいませ。
それでは今回はここで終わります。
また次回もよろしくお願いします!
【次回投稿予定日は 6月21日 22時 です】




