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ブレイブリバース!~二人で魔王倒せるの?会社員なゲーマー勇者と器用貧乏な吟遊詩人が、データ通りじゃないRPG異世界(101周目)を独自ルートで攻略した話~  作者: 鳴海なのか
第1章 初めての街、初めての仲間

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第22話「初ダンジョン・小鬼の洞穴、2日目(3)」


 ダンジョン『小鬼(こおに)洞穴(ほらあな)』探索2日目の昼過ぎ。

 6階層に足を踏み入れた俺とテオは、苦戦することもなく先に進んでいった。


 能力差の関係でこの辺りの魔物(ゴブリン)にダメージを食らうなんてありえない。

 そう分かった上で、戦い慣れた俺が毎回サクッと戦闘を終わらせたからだ。


 夕方には、9階層の最深部に到達。

 ダンジョンボスが待ち構える10階層へ続く階段も早々に見つける。

 だが大事をとって下りるのは翌日に回し、早めにテントで休むことにした。





*************************************





 その夜、テント内。

 翌日のボス戦に向け、俺たちは作戦会議をしていた。


「……ってことでタクト。作戦を立てる前に、改めて情報を整理していくよ!」

「おう!」


 広げたのは、事前に集めてきた『小鬼(こおに)洞穴(ほらあな)』の情報だ。

 基本のダンジョン情報は、冒険者ギルドから無償でもらえることになっている。




 元々『冒険者』という職業は、何でも屋に近かった。

 依頼(クエスト)内容は、掃除の手伝い、魔物討伐、素材採集などさまざまだ。

 特に高額報酬が発生する依頼(クエスト)の場合、強さが必須となる。

 冒険者には必然的に、高い戦闘力を持つ者が集まりやすくなっていた。


 だが魔王が復活した3年前から状況が変わった。

 依頼クエストのほぼ全てが魔物討伐関連となったため、戦いに自信が無い者は冒険者を廃業し、残ったのは腕に覚えがある者ばかり。


 国や街は魔物への対抗手段として、腕利きの冒険者に任せることを決めた。

 その支援の一環が、ダンジョンに関する情報提供への懸賞金だ。

 集まった情報は、ギルド側で真偽を確かめた後、無償で一般公開されるのだ。




「で、ダンジョンボスについての情報がこの辺だね」


 目の前に広げた見取り図を前に、テオ主導で話し始める。


「まずこれが、小鬼の洞穴の最下層・10階層の見取り図。9階層に繋がる階段と通路、それと30m四方ぐらいの部屋が1つだけ。そんで、ここがダンジョンのボス部屋でもあるんだよね」

「この扉からはいつでも逃げられるんだよな?」


 見取り図内の『ボス部屋』の扉部分を指さしつつ、俺がたずねる。


「うん。戦闘中危なくなったら、部屋から出さえすれば、ボスはそれ以上追ってこないはずだよ。ま、普通に逃げられりゃそれでいいんだけど、そううまく行かない状況の時もあるだろ? そういう時に便利なのが、この『発煙手榴弾(スモークグレネード)』なんだぜっ」


 とテオは魔法鞄(マジカルバッグ)から、手のひらサイズの『発煙手榴弾(スモークグレネード)』を取り出した。


「あぁ……そういえば『逃走用に一応買っとけ』って言ってたもんな」


 ゲーム中にも存在する『発煙手榴弾(スモークグレネード)』。

 刺さっているピンを抜くと煙幕が発生するから、逃走や奇襲でよく使われる。


「まぁこのボスなら使わなくても余裕だと思うけど……何があるか分かんないし」

「持っとくに越したことはないか」

「そうそう。で、10階層に出現するボスはLV5のゴブリンリーダーなんだけど、普通とはちょっと違うんだよね……」


 テオは喋りながら、見取り図の下に重ねてあった情報メモを取り出した。

 既に知ってはいるものの、俺も念には念を入れ目を通していく。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【ダンジョンボス情報】


名前 ゴブリンリーダー

種族 ゴブリン

LV 5


HP 103 / 103

MP  24 / 24


物攻 44

物防 30

魔攻 11

魔防 18


■状態

健康


■称号

ゴブリンの統率者、土の魔物、魔王の(しもべ)


■スキル

剣術LV3、同族召喚LV3、土特性LV1、魔誕の闇LV5★、魔王の援護LV5★


■装備

錆びた剣(物攻+8)、破れた毛皮(物防+3)、ぼろぼろのマント



●出現

小鬼(こおに)洞穴(ほらあな)10階層・ボス部屋

※一度倒した後は8時間程度出現しない模様


●特徴

戦闘開始時に【同族召喚LV3】を使用

※以降は仲間ゴブリンが3体以下になると使用

※LV4以下の棍棒・槍・弓ゴブリンをランダム召喚

※召喚できる仲間は、場にいる者と合わせ10体

・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「……称号・魔王の(しもべ)……」


 基本能力数値や特徴などは、普通のゴブリンリーダーと変わらない。

 だけど特別な称号により解放された【魔誕の闇】【魔王の援護】が付いている。



 この【魔誕の闇LV5★】こそがダンジョン化の要因だ。

 周辺を濃い闇属性の魔力で支配し、狂暴な魔物が生まれやすいエリアに変える。

 だから、このスキルを持つ魔物を『ボス』と呼ぶ。

 倒せば復活までの8時間だけ、そのダンジョンでは魔物が生まれなくなる。


 問題は【魔王の援護LV5★】である。

 こちらは特定の条件下で、魔王の援護により自身が強化されるスキルだ。

 ギルド情報では「どのような条件なら強化されるのか?」を過去に多くの冒険者たちが試したものの、結局誰も解き明かすことが出来なかったらしい。



 苦笑いしながらテオは言う。


「そりゃそうだよね……まさか【魔王の援護】の発動条件が、『【光魔術】を使える者、つまり()()が討伐パーティにいること』だなんてさ……」


 勇者は、世界でただ1人しか存在しない。

 普通の冒険者パーティでは発動条件を満たせるわけがない。


「……タクト、戦闘開始時にボスが自動強化されるんだよな?」

「ああ。どれぐらい強化されるかは、行ってみないと分かんないけど……たぶん、そんなに無茶な数値にはならないとは思ってる」


 スキル【魔王の援護】は『その時点の魔王の能力値の10%』を加算し強化する。


 魔王の能力値はLV999まで全て計測されていて、攻略サイトで確認可能。

 そして『魔王』のLVは、有志の検証で「その時の勇者と同じ」と判明している。


 つまり、ダンジョンボスの強化数値は、勇者の現在LVで確定するというわけだ。




 現在の俺はLV11。


 そしてあくまでゲームの攻略サイト情報にはなるが。

 LV11勇者に対応する【魔王の援護LV5★】発動状態ステータスがこちら。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

名前 ゴブリンリーダー

種族 ゴブリン

LV 5


HP 653 / 653

MP 924 / 924


物攻  80

物防 135

魔攻 101

魔防 123


■状態

発動中【魔王の援護LV5★】(HP+550、MP+900、物攻+36、物防+105、魔攻+90、魔防+105)


■称号

ゴブリンの統率者、土の魔物、魔王の(しもべ)


■スキル

剣術LV3、同族召喚LV3、土特性LV1、魔誕の闇LV5★、魔王の援護LV5★


■装備

錆びた剣(物攻+8)、破れた毛皮(物防+3)、ぼろぼろのマント

・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 プレイヤー有志の検証では「各ダンジョンボスは、『各ダンジョンの攻略推奨LV勇者1人のソロパーティ』でも何とか倒せる強さ」であることも判明済みだ。



 ダンジョン『小鬼の洞穴』の攻略推奨LVはたったの5。


 今回はLV11の(勇者)以外に、LV38のテオもいる。

 しかも【能力値倍化LV5★】で俺は大きく強化されていて、相当有利なはずだ。


 たぶん何とかなるとは思うけど、準備だけは入念にしておこう。




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