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ブレイブリバース!~二人で魔王倒せるの?会社員なゲーマー勇者と器用貧乏な吟遊詩人が、データ通りじゃないRPG異世界(101周目)を独自ルートで攻略した話~  作者: 鳴海なのか
第1章 初めての街、初めての仲間

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第21話「初ダンジョン・小鬼の洞穴、2日目(2)」


 小鬼(こおに)洞穴(ほらあな)を探索していた俺とテオは、6階層に下りる階段を見つけた。



 ここからは、出現する魔物の種類が変わる。


 5階層までは、棍棒(こんぼう)(やり)等を武器に、近接で戦う魔物(ゴブリン)しか出てこない。

 だけど6階層からは加えて、短弓(ショートボウ)を装備した弓ゴブリンが出現する。

 俺にとって初めての「遠距離攻撃相手との実戦」というわけだ。


 とはいえゲームを思い出しての脳内シミュレーションだけは何度も重ねてきた。

 相手はあくまで非力なゴブリン。

 使う弓も小さいし、飛距離も威力も怖がる必要はないはずだ。


 テオも引き続きフォローしてくれるわけだしな!




 念のため、スキル【気配察知LV1】が発動しているのを確認する。

 これさえあれば半径30m以内の気配が分かるから、さらに安全に進めるはずだ。


 それから俺とテオは6階層へと階段を下り、石造りの通路を進んでいった。





*************************************





 しばらく歩いた頃、【気配察知】にピコンッと何かが引っかかった。

 俺は「あっ」とつぶやき立ち止まる。


「テオ、左方向30mに魔物が4体」

「…………棍棒2体、槍が1体……あ、弓も1体いるね」


 俺が【気配察知】できるのは、だいたいの距離や位置ぐらい。

 それ以上は分からない。


 さらにテオは音を聞いて、魔物の種類や装備を判別していた。


「……移動早いな」

「こっちに気付いて走ってきてるね……来るよ、タクト」

「おう」


 小声の早口でサッと会話し、素早く武器を構えた。


 剣&盾装備の俺が前列、鞭装備のテオが後列。

 恒例の隊列(フォーメーション)にて、10mほど先の曲がり角に注意を向けて待つ。





 数秒後。


 弓ゴブリンが姿を見せ、同時に俺目掛けてシュッと矢が飛んできた。

 とはいえ事前に分かっていれば、何とかなる。

 素早く右に避け、矢をかわしきった。


 俺が矢に気をとられた一瞬。

 棍棒ゴブリン2体が、ジャンプで同時に殴りかかってきた。


 1体は盾で受け流して地面へ転ばせる。

 もう1体を素早くかわしその背中へ剣を叩き込む。

 バッサリ斬られた魔物(ゴブリン)は悲鳴とともに絶命した。


 だが槍ゴブリンへの反応が少し遅れた。

 低めの位置から、時間差で一直線に突っ込んできたのだ。

 必死に右足を上げて避け、やや不格好だが何とか突きをかわす。

 と同時に背後から斬りつけ消滅させる。




 ――その瞬間。

 俺の背中に()()()()が走った。




「イテッ」


 思わず短く叫び、のけぞってしまう。


 すかさず横目で確認すると、矢が当たった模様。

 幸いにも『革の軽装鎧』の上だったから、矢は刺さることなく地面に落ちた。


 俺は咄嗟(とっさ)に、弓ゴブリンをキッと(にら)んで走り出す。


 曲がり角にいた弓ゴブリンは驚いたらしい。

 慌てて弓を()るものの、どう見ても構えがブレブレだ。

 矢は明後日(あさって)の方向へと飛んでいく。


 その隙に、弓ゴブリンを斜め正面から剣で斬る。

 即座に振り返り、背後から襲ってきた最後の1体も思いっきり斬りつける。

 残った2体は同時に粒子となって消え去った。



 襲ってきたゴブリン全てがドロップ品を残し消滅。

 それをしっかり確認したところで、張り詰めていた緊張がやっと解ける。 





「おつかれさん!」


 いつの間にか背後に来ていたテオ。

 爽やかな笑顔が少しむかつく。


「テオ……1体ぐらい手伝ってくれてもいいんだぞ?」

「だいじょぶだいじょぶ、タクトならまだ全然余裕だって」

「いやいや、ギリギリだったし――」

「何言ってんの? あんな低LVゴブリンなんかに負けるわけないじゃん、タクトの今のステータスならさっ」


「え?」


「とにかく1度、自分のステータス見てみな!」

「お、おぅ……」


 言われるがまま、【偽装】を解除してからステータスウィンドウを開いてみる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

名前 タクト・テルハラ

種族 人間

LV 7 → 11


HP 124 / 78 → 124

MP  74 / 54 → 74


物攻 58 → 82

物防 33 → 46

魔攻 32 → 58

魔防 31 → 37


■状態

発動中【能力値倍化LV5★】(HP+62、MP+37、物攻+36、物防+12、魔攻+29、魔防+11)


■称号

勇者、世界を渡りし者、神の加護を受けし者


■スキル

光魔術LV1、剣術LV1、能力値倍化LV5★、収納(アイテムボックス)LV1、技能(スキル)習得心得LV1、鑑定LV1、神の助言LV1、言語自動翻訳LV1、攻略サイトLV1、偽装LV1、防御LV1、≪NEW≫気配察知LV1


■装備

手作りの片手剣(物攻+10)、ミスリルバックラー(物防+15、魔防+15)、革の軽装鎧(物防+7)、布の服、革のブーツ、ある旅人のマント

・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「……あ」


 想定外の数値。

 テオが笑顔で補足を入れてくる。


「ていうかこの能力値って、普通の剣士のLV20強ぐらいじゃん? 小鬼の洞穴に出てくるゴブリンはLV4以下の雑魚(ざこ)ばっかなのにさ……むしろどうやったら、あいつらがタクトにダメージ与えられるんだよっ!」

「……」



 先日テオに聞いたところ、現実のステータス概念もゲームの設定通りだった。


 能力値とは「本来の肉体能力」に「かかる魔力の補正」を加えたものだ。

 見た目だけじゃ判断できず、か弱い子どもが高い攻撃力を持つパターンもある。


 例えば物防なら、常時「物理攻撃を防ぐ魔力シールド」が張られたようなもの。

 能力差が大きすぎる相手の攻撃は、そのシールドに傷すらつけられない。

 さっきの弓攻撃のように、ダメージ量は0となってしまうのだ。





「……原因は、【能力値倍化】スキルか……」



 称号『世界を渡りし者』で解放される【能力値倍化LV5★】。

 常時、全ての能力値が2倍になるスキル。

 その恩恵は、これからLVが上がっていけばいくほど大きくなるだろう。


 ようやく納得した俺。

 これなら、想像以上に安全な旅ができるんじゃないかと希望を持った。




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