第298話 ラグの森の奥地
ギルドマスターの部屋に通された俺たちはギルドマスターに促されてソファに座り、対面にギルドマスターが座った所で一枚の書類をテーブルの上に置き口を開いた。
「お主への依頼はコレだ」
そう言われて俺はテーブルの上に置かれた書類に目を通した。
そこには薬草の採取と書かれており、その下には更に詳しい内容が記載されていた。
内容を読み込んだ事で何故ギルドマスターが俺にこの依頼を回したのか理解した。
どうやらこの依頼の主人はケアテミスさんで王都の近くにある森の奥地に行き魔素が多分に含まれている薬草や毒草を出来る限り採って来て欲しいという依頼内容だった。
ただ報酬がケアテミスさんの欲している基準に到達していないと買い取って貰えない為、受ける人を選ぶ依頼だ。
確かにこの依頼を熟すには俺の鑑定スキルと中に仕舞った物の時間を止められる無限収納が一番適任だ。
森の奥地だが行って採取をして帰って来たら丁度良いくらいの時間になりそうだし、この依頼を受ける事にした。
「分かりました、この依頼受けさせて貰います」
俺がそう言うとギルドマスターはあからさまにホッとした表情を見せて「助かる、手続きはコッチでしておく」と返して来た。
「それじゃ今から行って来ますよ」
俺はそう言って依頼書を無限収納に仕舞い、少女と共に王都の近くにあるラグの森の奥地に向かった。
森は本当に王都から直ぐの場所にあり、そこから偶に向かって来るゴブリンを斬り倒しながら鑑定を使い植物の魔素が多く含まれている方向に進んだ。
一時間もしないうちに向かって来るゴブリンがゴブリンソルジャーやゴブリンアーチャーなどに代わり、周りの植物の魔素量を格段に高い場所までやって来た。
ここら辺で良いかなと思いつつ辺りをザッと見回して薬草や毒草などのそれっぽい物に片っ端から鑑定をかけていった。
そんな方法で探してみたが当たりはそんなに多く無く、調べた内の二割位しかケアテミスさんが欲してそうな薬草や毒草に木の実を見つける事ができなかった。
ただそうした調べ方が良かったのか一つ面白い物を見つける事に成功した。
最初は熟れ過ぎて腐りかけてる木の実だと思っていたが一応鑑定を掛けて見ると超が付くほどの猛毒で驚いたが解析の結果をみて更に驚いた。なんとエリクサーと引けを取らない神酒の素材の一つである事が分かったのだ。
ただこの木の実は魔素の多い土地の猛毒を持った木の実が突然変異した物でコレ一個しか見つける事が出来なかった。
ただコレさえあれば今回の依頼は完了したも同然なので俺たちは採取を切り上げて王都に帰る事にした。




