第295話 雷対策を考える
「何とか倒せたな」
「そうね、今回のは私たちとの相性が少し悪かったわね」
雷を纏った狼を倒した俺たちは周囲を警戒しながらも今回の戦闘での反省点を振り返っていた。
「だよな、雷対策に金属以外の武器も必要かもな」
「そうよね、でも金属以外の武器になると使えそうな素材が今の手持ちに無いのよね」
「そうなんだよな、ここまでで手に入れた物って大体が金属系の素材ばっかで通電しやすい物ばっかりなんだよな」
「こうなったら雷耐性のエンチャントを装備に付ける方が手っ取り早いかもね」
「それが一番かな」
「それじゃあ七十二階層の入り口で休憩がてら装備の更新でもするか」
そうしての俺たちは狼を倒して出た宝箱の中身を無造作に無限収納に仕舞い、戦闘で投げたり地面に置いたりした物を回収して七十二階層に続く階段を降った。
七十二階層の入り口に辿り着いた俺たちは早速無限収納からセーフハウスを取り出して中に入った。
「それじゃ属性攻撃に対するエンチャントが出来ないか試してみるね」
姫姉はそう言い今装備しているアダマンタイトとオリハルコンで作ったチェストアーマーを外してスキル付与強化を発動した。
それから数分ほどうんうんと唸った後、溜息を吐き「ダメだぁ」と天を仰いだ。
「ダメだった?」
「うん、今装備にエンチャントをすれば一気に魔力を使い切って一日は動けなくなる。それが装備全部にするとなると一週間は動けないかな」
「あぁ、それなら一度帰って王城でのんびりしながらやった方がいいな」
「そうなんだよね、だから一応装備の更新は後回しにして七十二階層に進む事を優先したいかな」
確かにわざわざダンジョン内で装備の更新をするのは時間も精神も削られてあまり旨味がない。
「わかった。それじゃ装備の更新は次困った事があった時か、ダンジョン探索が一週間経って一度王城に帰る時にするか」
「そうした方がいいかも」
「それじゃもう少し休憩してから七十二階層に行くか」
そうして俺たちは水分補給などをして七十二階層に足を踏み入れた。
七十二階層も七十一階層と同じく荒野が広がっており、見晴らしだけはそれなりに良かった。
俺は早速スキル透視盗撮を使い辺りを見回し階段を探した。
十数分程辺りを見回した事で階段を見つける事に成功したが、それと同時に厄介な事にも気が付いた。
「姫姉、悪いニュースがある」
「何? もしかしてまたボスが雷を纏ってるとか?」
「ううん、ボスだけじゃ無くて周りにいるモンスターが軒並み雷を纏ってる」
俺がそう告げると姫姉はハァと溜息を吐いた後「帰ろっか」と呟き、俺はそれに「うん」と頷き返した。
こうして俺たちのダンジョン探索は一階層進んだ所で引き返す事になった。




