第292話 ポワレとクレープ
王女様が席に着いた所でメイドさんたちがワゴンを押しながら食堂に入って来て、俺たちの前に前菜であるサラダとフランスパンの入ったバスケット、そしてフランスパンに塗るバターやジャムなどが入った器を全員の前に手早く配膳した。
前菜とパンが全員の前に揃ったところでメイドさんたちは直ぐに食堂を後にし、そのタイミングで王女様が食前のお祈りの言葉を言いそれに続くようにウィンダムさんたちも食前のお祈りをした。
俺たちも「いただきます」と言って王女様たちのお祈りが終わったタイミングで一緒に料理に手をつけた。
前菜に出されたサラダはきゅうりとレタスに彩りとしてトマトとパプリカが入っていてシーザーサラダドレッシングをかけたものだった。
コクと酸味のバランスが最適で瑞々しい野菜ととても良い相性で飽きる事なく食べる事が出来た。
一緒に出されたフランスパンも両面しっかりと焼き目が付いていて香ばしい香りを放っており、小皿に用意されたガーリックバターを塗って食べればこれだけで満足のいく味だった。
全員が前菜のサラダを食べ終えた所ところでメイドさんが次の料理を運んで来た。
次の料理はアサリが入った琥珀色の透き通ったスープだった。
俺はまず一口スープだけを飲んだところ、アサリの出汁の旨みと仄かに香る香草が舌だけでなく鼻にも美味しさを伝えて来た。
貝殻からアサリを外し食べればコッチもしっかりと旨みが残っており、とても美味しかった。
そしてこのスープにフランスパンを浸して食べれば少しふやけて柔らかくなりふにゃっとしつつ芯はカリッとした食感とスープの旨みと香りが混ざり合ってこれもまた美味しかった。
このスープも美味しくいただき、全員がスープを飲み終えたとろこでメインの魚料理が提供された。
今日のメインの魚料理は皮目を揚げ焼きにした白身魚に細かく、けれど形が残るくらいに切られたトマトのソースがかけられたものだった。
ふっくらとした身とパリッとした皮目のバランスの良い食感と程良く形の残ったトマトの角切りの食感が合わさって食べ応えのある食感になっていた。
そして味も素晴らしく白身魚の淡白さを塩胡椒で整え、そこにトマトソースの酸味と旨みに香草の香りも合わさってとても美味しかった。
残ったフランスパンの上に載せて食べればフランスパンのカリカリ食感ともマッチしていてとても美味しく食べる事が出来た。
そして全部の料理を食べ終えた所でデザートのクレープが全員の前に出された。
四方を折り畳まれてその上にバニラアイスを載せて更にその上からオレンジのソースを掛けたクレープはとても美味しそうだった。
俺は用意されていたナイフとフォークでクレープの生地を一口大に切り取ってからアイスとオレンジのソースを付けて食べた。
オレンジの酸味と仄かな甘味にバニラアイスの濃厚な味が合わさり、クレープ生地のもちっとした食感とも合わさってとても美味しかった。
クレープの真ん中には薄くスライスされたが苺が入っており、これもまたバニラアイスとオレンジソースにマッチしていて美味しかった。




