第291話 ケアテミスさんは狙われている
部屋に戻った俺たちは一度自分たちの部屋で着替えてから俺の部屋に集合していた。
「それにしても結構な額になったわね」
「そうだな、どっちもギルドでの鑑定価格よりも高値での落札になったから今後は金に困ることは殆どないな」
「まぁそのお金を使う事自体私たちには稀なんだけどね」
「そうなんだよな、俺たちってコッチで金を使う事殆ど無いし、ダンジョン関係の買い物は経費で立て替えて払っても最終的に返ってくるから貯まる一方何だよな。最近使ったのってカジノくらいだし」
「そうよね、何か欲しい物でもあれば良いんだけどその欲しい物って大体ダンジョンでの物だから経費で返って来ちゃうのよね」
「なんかお金の使い道ってないもんかね」
「そうよね」
俺たちがそんな会話をしていると結構時間が経っていたようでメルリアさんが夕食の準備が整ったと知らせに来てくれた。
俺はベッドに寝転がっていた姫姉の乱れている髪の毛を直してから部屋を出た。
部屋の外には先に部屋から出て来ていた田中さんとメルリアさんが待っていて俺たちは一言「お待たせしました」と言い、田中さんからは「それほど待って無いから気にしないで」と返されて俺たちは食堂に移動した。
食堂には俺たちが一番乗りで先に席に着いて待っていると直ぐ後にウィンダムさんたちがやって来た。
そして席に着いたウィンダムさんは俺に話しかけて来た。
「今日はなかなか儲かったそうだな」
ウィンダムさんからの言葉に俺はオークションの事かと思い至り「耳が早いですね」と返した。
「まぁこれでも貴族だからな、情報は常に新しいモノを仕入れている。それとデミエリクサーも出ていたと聞いたが君たちから見てアレはどのくらいの競争率だったか聞かせてくれるか?」
「そうですね、個人的な意見になりますが俺から見ても相当な競争率だったと思います。五百万から始まったのに直ぐに一千万まで上がったので今後も高騰しそうですね」
「私も優くんと同意見です。付け加えるなら今回落札できなかった人たちの中にガッカリしておらず憎々しげな雰囲気を出している人が居たことくらいですね」
「ふむ、そうか。ならやはりしっかりとやる必要があるな」
俺たちの意見を聞いたウィンダムさんは直ぐに悩ましげな表情になり、何かを決心したかのような言葉を溢した。
俺はそれに対して「何のことですか?」と聞いてみた。
するとウィンダムさんは「ケアテミスの護衛の件だよ」と返して来た。
それだけで俺たちは何と無く察しが付いた。
ケアテミスさんの護衛を買収してケアテミスさんを攫ったり、護衛がケアテミスさんに何か仕出かしたり、そもそも護衛たちよりも強い人を雇って攫いに来るなんて事もあり得る。
特に護衛の買収とかは滅茶苦茶あり得そうな展開でウィンダムさんが頭を抱えるのも仕方がないのかも知れない。
そんなことを話していると王女様とウォレンさんが食堂にやって来て、夕食が運ばれて来た。




