第290話 オークション最後の目玉はアレだった
俺たちが出品した物が今回のオークション中盤の目玉だったようであれから十数品ほど出品された物を見たがどれも興味を引く物は出て来ず、次が今回のオークション最後の出品物になった。
「さぁ皆様お待ちかねの最後の目玉商品です! かの高名な錬金術師であるケアテミス様が開発された伝説の回復薬、その名もデミエリクサー! 効果こそ本物のエリクサーに劣るもののその効果は絶大! 飲んで良し掛けて良しの回復薬でエリクサーほどの効果は無いが各種の状態異状と軽度の部位欠損を回復できる現在製作可能な回復薬の中では最高峰の逸品です! 出品開始価格は何と五百万シアです。それではデミエリクサーのオークションを開始します!」
何と本日最後の目玉商品はデミエリクサーだった。
そういえばこの前王女様にデミエリクサーを一晩貸し出してケアテミスさんと話し合ったらしいからそこでデミエリクサーの扱いを決めたんだろう。
俺はその辺の政に興味は無いから詳しく聞いてなかったけどデミエリクサーは王女様が独占するのでは無く市井に流す事にしたらしい。まぁ今の値段だと一部の金持ち連中しか買えないから普通の人たちからすれば殆ど関係のない話だろうけど。
俺がそんな事を考えている間にも値は一瞬で釣り上がり今は千百万シアにまで進んでいた。
その後も値は上がり続けて千五百万シアまでいった所で勢いが落ち始めて最終的に千八百五十万シアで落札されていた。
これで今日の全出品物が落札されてオークションは終了となった。
俺たちもオークション会場が閉まる前にシェルジュさんに連れられて外に出てそこからは王城から乗って来た馬車に乗り王城に帰り着いた。
王城に帰って来てからは王女様に呼ばれてたまに使う応接室まで姫姉たちと向かい、そこで王女様から今回のオークションはどうだったかと訊ねられた。
俺は自分たちの出品した王冠二つがそこそこ良い値段で売れた事を伝えたあと、デミエリクサーが出品されていたことについて聞いてみた。
「そうでしたか、本日出品されたのですね。この間ケアテミス様と話し合いの場を設けた際にケアテミス様からデミエリクサーは多くの人の手に届けたいと仰られて私たちもその事には賛成でしたが時期尚早と考えて一度オークションにてどのくらいの値が付くか調べる為に出品したのです」
「なるほど、確かに鑑定で見た効能なら金持ち連中なら挙って欲しがりそうですね」
俺がそんな感想を溢すと王女様もそれには同意見だった。
「そうですね私たちもケアテミス様から数本買い取らせて貰いましたし、アレはダンジョンなどで手に入れるしか方法のない伝説のエリクサーと違い人の手で作ることが可能ですから。それを踏まえてケアテミス様には王城に移り住んで貰いたいくらいですが拒否されてしまいましたので今は護衛として騎士団をケアテミス様の家の周りを重点的に見回りさせてます」
どうやらケアテミスさんは国の重要人物になったらしい。
その後オークションでのことを少し話して俺たちは自分たちの部屋に戻った。




