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第287話 初めてのオークション

「本日最初の出品はこちら! まだ無名ながら仕事は丁寧で効果も保証、回復の上級ポーション十個セットがなんと破格の六千シアからです。回復の上級ポーションといえば一本千シアからが相場ですが今回の出品者は自身の腕を認めて貰う為の見本として出品したとのこと。それでは回復の上級ポーション十個セットのオークションを開始します!」

 バイヤーさんの出品物の説明が終わり開始の合図と共にまず手始めと言わんばかりに一人の人が「六千」と札を掲げて宣言した。それに続けて「七千」「七千六百」「九千六百」との声が聞こえ、次の相場超えが出るかと思われたが流石に相場を超えることは無く5分間沈黙が続いた事で九千六百シアでの落札が決定した。

 その後落札者がオークションの関係者に連れられて一度会場から出て行き、少ししてから壇上上がりそこで商品を受け取ってまた自分の席に戻って行った。


 次に出て来たのはエンチャントの施された鋼の剣でコレもバイヤーさんが事前に説明していた相場くらいの値段で落札されていた。

 それから徐々に高価な幾つもの出品物が出て来て、それに釣られるように落札額も徐々に上がって相場を超えることも度々起こっていった。

 そしてオリハルコンの剣が紹介された所でシェルジュさんが俺に声をかけて来た。

「ユーマ様、そろそろユーマ様の順番ですのでご準備をお願いします」

 俺はそう言われてやっと俺の番が来たかと思いつつシェルジュさんに「分かりました」と返して席を立った。

 シェルジュさんの案内で俺はオークション会場の直ぐ側にある小部屋に案内された。

「それではユーマ様こちらに今回の出品物をお願いします」

 俺をここまで案内して来たシェルジュさんがそう言いながらクッションが上に置かれた台座をテーブルの上に置いた。

 俺はその二つクッション上に無限収納(アイテムボックス)から取り出したゴブリンキングの王冠とオークキングの王冠を載せた。

 シェルジュさんは王冠が本物か鑑定用の魔導具を取り出して確認してからガラスケースを上から被せて簡単に外れないように固定していた。


 その間、会場の声も聞こえていてオリハルコンの剣は二千万シアで落札されてその次に出た防護結界のエンチャントが施されたペンダントは一千二百四十万シアで落札されていた。

 凄い額で取引される剣やペンダントの後に出品するのかと少し気後れしているとシェルジュさんが「次はユーマ様の番です。これから壇上に向かいます。そこでユーマ様は壇上脇に待機して頂きます」と言ってガラスケースに入った王冠を二つともワゴンの上に載せて俺とシェルジュさんは部屋を出た。



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