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朝チュン

 ピピピピピッ……カチッ


 目覚まし時計が鳴り、朝の静寂を破る。

 直ぐに布団から手が伸びてそれを探り当て、スイッチを押して騒音を止めた。


「ふわぁぁぁぁ…」


 口の中で小さな欠伸が響き、布団に戻り掛けた手がそれを塞ぐ。


「…夢?」


 楽人は無意識に呟いて目を開けると、目の前にはサーニャの寝顔があった。

 隣で寝ているだけならいつも通り。

 しかし、それは初めての光景。


「初めてだな、先に目が覚めたのは」


 いつもは先に起きるサーニャが、今日はまだ微睡んでいる。

 理由は考えるまでも無く、昨夜遅くまで、初めての夜を睦み合ったこと。


 楽人は昨晩のことを思い出した。

 初めてだった彼には、彼女の身体が人間と違ったのかは分からない。

 でも、それで構わなかった。

 サーニャ以上に大切なものは無いと、改めて確認できたのだから。


(こんなに幼かったんだな。いや元からか?)


 普段接していると同年代に感じるのに、初めて見る寝顔はもっと幼く無邪気に見えた。


 つん、つん


 楽人は何となくサーニャの柔らかい頬っぺたを(つつ)く。


「ふにゅぅ…」


 彼女の可愛らしい口から、面白い鳴き声が漏れる。


 つん、つん


「ふみぃぅ…」


 今度は嫌がるように眉を顰めて、微妙に違う鳴き声を漏らした。


 つん、つ…


「――えいっ♪」


 寝ていると思われたサーニャが、いきなり転がるように楽人に覆い被さって来た。


「うわっ」


 ぐにゅっ


 目の前にお互いの顔があり、彼女の豊満な胸が、彼の胸に押し付けられて餅か風船のように潰れる。


「起きてたのか」

「と言うか起きました。突きすぎですよ~」


 頬っぺたが垂れんばかりの笑顔。


「ごめんごめん」

「もう~!」


 可愛く頬を膨らませる姿は、もうすっかりいつものサーニャだった。


 くぅ~~~っ


 サーニャのお腹が可愛く鳴った。

 夜遅くまで運動ををしたので、身体がいつもより早く栄養を欲している。


「起きるか」

「はい♪」


 上になっているサーニャが先に身体を起こす。

 掛け布団がズリ落ちて、その生まれたままの姿が露わになった。


 その身体は、まるで彫像か人形のように整っていた。

 作られたような痕跡は無く、かと言って長年生きて来た痕跡(きず)も無い、生身の身体。


 いつも一緒に風呂に入り、昨晩も散々目に焼き付けた身体。

 それでも明るい場所でハッキリ見るのは初めてで、楽人はその美しさに見惚れた。


「…ガクトの、えっち」


 サーニャは視線に気付いて、掛け布団で身体の前を隠して、嬉しそうに口を尖らせた。


「あはは…」


 楽人は苦笑してベッドから起き上がり、彼女に背を向けて着替え始めた。

 サーニャもベッドの上で着替え始める。

 先に楽人が着替え終わり、背後の衣擦れの音が止まってから振り返ると、サーニャも着替え終わってベッドに座っていた。


「下に行こうか」

「うん」


 サーニャは両手をベッドに突いて、立ち上がろうとして……止めた。


「どうした?」

「…立てない」


 サーニャは苦笑いをすると、両手で腰を擦った。

 昨晩、張り切り過ぎたせいだ。


「あっ…えーと……」


 楽人が迷っていると、サーニャは両手を広げて可愛くお願いした。


「…おんぶ」


 楽人はサーニャを背負い、今度は背中に柔らかい膨らみを感じながら部屋を出て行った。

キングクリ○ゾンさんが頑張ってくれました

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