↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
125/166

レンタルショップ:来店

 浜辺には幾つもの海の家が立ち並んでいた。

 大半は食べ物を売っている店だったが、中にはシャワーやトイレ、海で必要になる物を貸し出している店なども少なくない。


 楽人たちはその中から、店頭にサーフボードが飾られている、店の入り口から奥までハンガーラックがずらりと並んだ店に入った。


「結構あるね」


 範子が店内を見渡して言った。

 海の家と言うと開放的な印象が強いが、その店は万引き防止の意識が強く、商品は壁に覆われた店内にしか無い。

 しかしその分、店内にハンガーラックを所狭しと並べ、顧客のニーズに幅広く応える方向性を売りとしていた。


「らっしゃーい…?!」


 正面のカウンターに座る若い女性店員が、やる気の無さそうな声を掛けて固まった。


(わかる)

(わかるわ、その気持ち)


 楽人と静香は、人外【リアライザー】三人を見た店員に同情した。

 常識が違うので意思の疎通が怪しい上に、下手な対応は批難の的。

 それなのに、海での一見さんだからリピートが期待できないし、勝手に写真を撮るのも不味いから宣伝にも使えない。

 面倒な客の筆頭である。


「店員さん、メスリンの水着どこ?」

「え?」


 初対面でも気兼ね無く声を掛けられるのは、陽キャの代表格であるギャルの美点だが、言葉が足りないのもまたギャルの特徴だろう。

 店員は「メスリン」が何か分からず困惑した。


「えーと、この子用の水着はどの辺りにありますか?」


 楽人はメスリンの肩を抱いて前に出ると、もう片方の手で彼女を指差して、範子の言葉を翻訳した。


「あ、それでしたらあちらの方にあります」


 店員は助かったという顔をして、右側の壁の中ほどを指差した。

 子供用の水着を奥に置いているのは、変態の――陰キャも陽キャもイケメンもオッサンもいる――万引き防止のためである。


「ありがとうございます」


 礼を言った楽人たちが奥に行こうとした時、


「おおっ! カワイイじゃーん!」


 彼らに匹敵する、ある意味ではそれ以上に面倒な客が現れた。

 チャラ男の集団である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。