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野々香虎威3
さて、話しはかわり。友人の猫が一月ほど前から行方不明。一山超えた先まで探しに行き、今はその帰りの道中。人になって初めて懐かれた猫に、たいそう入れ込んでいる事がわかった。
「生き物は皆、すぐいなくなります。そんなに大事にしていて大丈夫ですか?」
ぼくが言うと、友人はお前もな?といいながら、到着した家の玄関の扉を開いた。扉の先には和を基調とした、ごく一般的な場所。
玄関で靴を脱ぐ友人をよそに、私は足元を光らせ植物を呼ぶと。靴についていた汚れや菌などを吸わせ、元いた場所に帰らせた。
ぼく自身が他人に見えないとはいえ、緊急時でもない限り土足で家に上がるのなんだろう。空中に浮かび室内に入ると、振り返った友人。光るのは他人にも見えるから、今度は靴をぬいで上がっていいらしい。猫探しでだいぶ距離感が縮まったようだ。




