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Synthetic School  作者: 南雲 楼
六章 生徒総会、争奪戦
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5

「あー、っと、落ち着いてください! 総会は続行します! ウサギに関しては副会長と庶務が行ってくれたので大丈夫です! でも急を要するんで、他の委員会の活動方針は俺の口から言わせてもらいます!」


 つい口調が普段の物に近づいてしまう。だが、こんな状況で落ち着いてなどいられない。今すべきことはとにかく早く、不満が少ないように総会を切り上げ、飛び出していった三人と共にウサギの救出に向かうことだけだ。



 会場を満たしていた喧噪は少し静まる。ふと思い立ち東夜に視線を投げる。彼女も心配そうな視線となっている。


「東夜さん! 委員会のことは俺から言っておくから、保健室で待機していてくれ。怪我人出るかもしれん!」


 東夜は何か言いたげに口ごもったが、頷くと席を立った。総会中に席を外すことを戸惑ったのだろう。


「相崎さん! さっきから勝手な判断ばっかで、認められると思ってるんですか!? すぐに保健委員長を止めて、残りの三人を連れ戻すべきです!」


「うっせえよ! 今はそれどころじゃないんだよ! 認められなくてもやるしかねえんだよ! 勝手な判断ってお前もじゃねかよ! ウサギ見殺しにしていいのかよ!」


 喧嘩などしている場合ではない。しかし、雛の言葉につい怒りが抑えきれなくなる。



「総会なんていいからウサギ助けに行ってよ!」


 聞き覚えのない女子の声が上がる。その声は波紋となって喧噪を引き起こす。やばい、収拾つかねえ。


「あー! 俺だって行きたいんだよ! 委員会活動方針発表終わったらすぐ助けに行くから! だから少し静かにしてくれ!」


「総会はどうすんだよ!」


 女子生徒の言葉に答えると、男子生徒の声が上がった。ウサギ助けたいならお前が行け! 総会進めて欲しいならお前から黙れ! という言葉は気合で飲みこむ。


 先程の冷静に対処しろとの考えはどこへやら。苛立ちと焦りから喧嘩腰での反論となってしまう。その対応のせいで、さらに喧騒は大きくなる。ああ、胃が痛くなってきた。



 他の役員……と思ったが、衣琉はよくわからない表情で震え、司はパニックを起こしたのか、座ったまま失神してしまっている。頼りにならない。


 他の委員長はとも思ったが、帳は小声で雛をたしなめてばかり、光太郎は自分は関係ないと言いたげに視線を逸らし、雄大は座ったまま目を閉じている。咲は戸惑いを隠せないようだ。つまり彼らも役に立たない。


 ああ、終わった。生徒会。勝達の目的は大勝利とばかりに達成されている。どうやってでも全員を黙らせ、総会を進めるか、自分も放棄してウサギの元へ行くか。せめて自分の代わりにここで話してくれる人がいればいいのに。


 突然、喧噪の波の方向が変わった。その言葉は「ウサギを守れ」でもなく「総会をやれ」でもない。


 視線をやると、軽やかにステージに飛び乗った人物がいた。綺麗な金の髪が目を引く。久炉のルームメイトにして友人、花火(はなび)だった。




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