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Synthetic School  作者: 南雲 楼
六章 生徒総会、争奪戦
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「生徒会庶務職に任命されました、迷原(まいはら)蒼冱です。生徒会の一員として学園生活に貢献できればと考えています。任期の間、よろしくお願いします」


 蒼冱のきっちりとした挨拶。


「え、えっと、あの、せせせ生徒会会計職に任命されまし……えっと、長倉(ながくら)司といいます……あの、頑張ります、よよよよろしくお願いします……」


 司の死にそうな挨拶。


「うゆ生徒会書記職になりました新條(しんじょう)衣琉なのです頑張るのです!」


 衣琉の早口すぎて何を言っているか分からない挨拶。


「生徒会副会長職に任命されました、海野(うみの)名月です……。飼育小屋の……じゃない、学園のために頑張ります……よろしくお願いします」


 名月の欲望が見えてしまっている挨拶。



 それらが終わり、久炉の挨拶、公約と活動法方針発表の順番となった。衣琉と司は緊張しすぎて目も当てられない。名月に関しては飼育小屋という単語が飛び出している。蒼冱の挨拶だけが救いだ。


 久炉はため息をつきたくなったが、壇上に出された椅子に座っている以上、一般生徒からは丸見えだ。無意識的に吐き出されそうな二酸化炭素を押さえ、隣の椅子に戻った名月と入れ替わり、立ち上がった。


 読み上げるメモや総会のマニュアルが閉じられたファイルを持って演台に向かう。


 演台にファイルやメモをスタンバイし、マイクのスイッチがオンになったままであることを確認。声の通りを意識して、口を開いた。


「生徒会会長職に任命されました、相崎(あいざき)久炉です。一年と三か月という少し長い任期となりますが、応援とご協力の程、よろしくお願いします」


 礼をしつつ、脳内で呟く。ああ、マスクをつけていてよかった。これが無ければこの注目に等耐えられない。顔を上げ、公約が記されたメモに目を落とした。


「まず、第一期生徒会の公約を発表させていただきます。『楽しい学校づくり』。これが私たちの公約です。資料を見てください」


 資料に目を通すことを促すと、公約としての活動を並べていく。行事の運営方針、生徒会主催のイベント――計画している案件。全て配布資料に記されていることだが、全てを読み上げていく。


 その過程で、生徒たちの様子も確認する。壇上からはよく見える。真面目に話を聞いている生徒。居眠りをしている生徒。近くの席の者と言葉を交わしている生徒。いくつかの空席もあった。サボりか体調不良かは分からないが。



「次に活動方針です。公約で挙げた活動の他に、生徒会室の扉に生徒会ポストと呼んでいるポストがあります。これは役員の不在時に生徒会への連絡物を入れていただくものですが、意見箱として、皆さんの声を投書していただきたいと考えています。学校生活での要望や困ったこと、生徒会活動への意見を随時募集しています」


 この案は以外にも衣琉の思いつきだった。本来は職員室や各委員会からの連絡物を預かる手段の一つであったポスト。これを意見箱として活用しようというものだ。もちろん役員からの異論はなかった。


 他にも数点の方針を読み上げ、質疑応答の時間となった。質問を促しても何もないようだ。ステージ袖の生徒会顧問、斉藤とアイコンタクトを取る。「無いなら交代していい」と言いたげな視線。


 特に無いようですので、各委員長挨拶、並びに活動方針発表に移りたいと思います――その言葉は突然の体育館の扉が開く音で遮られた。


「はいはーい! 質問です! お前たち生徒会の活動を邪魔する生徒はどうやって対処するんですかー!」



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