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Synthetic School  作者: 南雲 楼
四章 委員長、集合
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12

「あー、ごめんごめん。じゃあ生活委員長来てないけどとりあえずは会議はじめるからさ。それでいいんだろ?」


「そういう問題じゃないんです!」


 雛はさらに強く机を叩く。蒼冱はその様子に完全に引き、司は怯えの色を見せている。確かにこの女子生徒はうるさいし怖い。所謂ヒステリーというやつだろう。


 他の委員長の様子を見ると、咲と摩胡、光太郎は司と同じような表情を浮かべていて、帳の表情は少し強張っている。東夜は少し眠そうな表情になっていた。

 東夜の何事にも動じない精神力がうらやましい。いや、そうでもなければ保健委員長なんて務まらないか。久炉の思考はいつも通り、道を外れだした。


 雛はひときしり喚くと椅子を戻し、座った。会議の始まりが五分遅れたとの抗議であったがそれのせいでさらに会議が五分遅れた。

 生活委員長の雄大はまだ教室に訪れない。また雛にヒステリーを起こされてもたまらない。久炉は自分の席についた。



「じゃあ、まだ一人来てないけど。第一回の会議をはじめまーす」


 いつもの調子で言うと舌打ちが聞こえた。どう見ても雛だ。一つ飛ばして隣の席で光太郎が『ヒステリー女怖え』と言いたげな表情でチラチラと雛の方に視線を送っていた。

 いきなり空気が悪い。ため息をつきたいところだが、また舌打ちが飛んでくるだろう。


 久炉は蒼冱に試料を配らせると、内容を解説していく。今後の会議の頻度のことや各委員会の活動のこと。名月と蒼冱の助力もあり、会議はスムーズに進んでいった。


 時折進行が詰まった時に飛んでくる舌打ちにストレスを脳にねじ込まれる。久炉が胃痛を起こし始めた時、ようやく、名月にとってのメインイベントとなる各委員会の予算の割り振りとなった。


「えっと、じゃあ資料の最後についてる予算案見てもらってだ。基本的にその表の感じでって考えてる。けど無駄は省きたいからさ、今から会計中心に話し合って削れるとこは削って、必要なとこに回していこう」


 そういった瞬間、雛がビシッと手を上げた。正直面倒に感じつつも指名する。おそらく彼女の意見は――


「これ! 飼育委員会の予算多すぎじゃないですか! おかしくないですか!?」



 やはり突っ込んでくるか。確かに他の委員会と比べれば多い。生き物の生命を預かる委員会だ。見過ごしてもらえるかとも思ったが甘くはないか。名月に視線をやる。彼女はだからなんだと言いたげな顔で抗議に応対した。


「当たり前じゃないですか? 生き物育てるのにどれだけお金必要だと思ってるんですか。 餌も的確な物を与える必要がありますけど、今の備品じゃ満足に栄養も与えられないので。多少の予算の差はあって然るべきです」


 これを皮切りに名月は淡々と言葉を返していく。徐々に雛の顔が赤くなっていくのがわかる。もっと怒らせないように話してもらいたいのだが、飼育委員会の絡んだ名月には難しいだろう。


「そんなに屁理屈並べてるけど生徒会は関係ないでしょ!? 飼育委員会のことなんてわかってないくせに! あんた達は会計だけしてなさいよ! 口出しするなら他の委員会のことも考えなさい!」


「私飼育委員もやってるんですけど。だから内情はあなたより知ってます。ホントに他の委員会のこと考えてるなら、代表委員会のようにコピー用紙くらいしか必要な物がない委員会が予算譲るべきです」


 名月は雛の主張をことごとく論破していく。その度に顔が赤くなり、今は真っ赤になっている。怒り心頭に達しているのだろう。

 バンッと大きな音を立てて机を叩き、立ち上がり、名月に人差し指を突きつけた。


 そして怒りからか少し震える唇から言葉が発されようとした時、突然会議室の扉が開かれた。



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