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Synthetic School  作者: 南雲 楼
四章 委員長、集合
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8 委員長会議

 四月十七日の水曜日の放課後、生徒会役員五名は生徒会室を出た。行き先は隣にある生徒会会議室。生徒会室とあまり変わらない広さの部屋で、各委員長や各部長との会議で使われる部屋となっている。


 本日は生徒会と各委員長の初の会議だ。昨日、委員会予算の生徒会会議は夜の九時過ぎまで行われていた。

 特に会計の司の疲労感がひどい。珍しく授業中に居眠りをしていたらしい。名月に振り回されながら予算に頭を悩ませていたのだ。仕方がない。


 数冊のファイルを持って生徒会会議室に入る。すでに四名の生徒が集まっていた。咲と摩胡。後の二人のうち一人は見覚えがあり、もう一人は知らない生徒だ。


 側面の黒板に貼られた座席表と照らし合わせて確認する。見覚えのある生徒はあの保健委員長、流神東夜だ。肩に薄手のブランケットを掛け、枕を机に置いて顔を伏せている。また寝てるのか。



「えっと、流神さん?」


 自分の使う机にファイルを置き、声をかける。東夜は寝ていたわけではないようで枕から顔を上げた。深い青色の眼鏡を取り出してかけると、顔を向ける。視線が合った。

 東夜は少しはにかむと座ったまま軽く頭を下げる。つられて同様に軽く会釈した。


「流神東夜です。東夜でいいよ」


 少し眠たそうな声。また保健委員会の仕事が忙しかったのだろうか。火曜日に保健室に訪れた時は東夜が当番ではなく、水曜日は会議で保健室を訪れる暇がなかったため、実質今日が初対面である。


「えっと、相崎久炉っす。久炉でいいよ」


 東夜は頷きながら長い前髪を分け、少し乱れた長めの髪を手櫛で直す。まだ眠たげな表情からして少し眠っていたようだ。


「月曜日に声かけたの覚えてる? 保健室で。放課後」


「月曜日かあ……。保健室の仕事手伝ったらやけに眠たくなったから夜まで寝かせてもらってたんだけど。声かけてくれたの? 気付かなかった」



 まあ、あそこまで熟睡してたことだし、覚えてるわけないよな。口には出さず、納得する。辺りを見回すと咲と摩胡は仲がよさそうに話していた。


 他にすでに着席しているのは長い髪を後ろで二つにまとめた真面目そうな女子生徒だけだ。


 少しキツい目つきからか真面目そうな印象は受けても、おとなしそうな印象は受けない。席の位置からして代表委員長、渡部(わたべ)(ひな)

 各クラスのまとめ役である代表委員のさらにまとめ役。少しくらい気が強くなければ務まらない役職だ。


 時間が無く、図書、飼育、保健の委員長としか会うことができなかったため、残りの四人の性格や外見が気になるところだった。

 雛は“いかにも”といった雰囲気を持つ。静かに、綺麗な姿勢で本を読んで時間を潰しているところを見ると、見た目通りの性格のようだ。


 他の生徒も大して変わらないはずだ。そうでなければ教師からの推薦などもらえないだろう。



「久炉さん、ちょっといいですか」


「ん? ああ、どした?」


 人格等も気になるため、少し話しかけたいところではあったが名月に呼ばれ、また枕に顔を伏せた東夜のもとを離れる。


「この予算案なんですけど、まだ削れそうじゃないですか?」


「いや、限界だろ……。そもそも、それ今から決めていくんだぞ?」


 今回の会議では活動内容と半年の予算を確定することになっている。名月はまた紙を見つめながら時折ペンで書きこんでいる。会議中に削減の提案をするつもりのようだ。

 あまり他の委員会の予算を削りすぎても他の委員会から不満が出る。そもそも職員会議で却下されるだろう。


 もともと飼育委員会の予算を上げるように会計に調整させることを条件に生徒会に加入してもらったが、あまり露骨な調整はまずい。



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