2 ナノ
人工天体トランジット。
そこは分岐点空域に鎮座する人工天体だ。
地球へ続くMELROSEラインと後に第2空域と呼ばれるエリア、そして銀河の先へと伸びる回廊の交差点である。
自己修復機能の付いた特殊な天体で、外殻は防護壁をかねた宇宙港となっている。
無重力の橋を渡り、二つ程のゲートをくぐれば、重力区域の都市。
自由都市ティムル
そこに今度は小柄な女性を伴ったアイが待ち構えていた。
女性がしっかりと、アイの服を掴んで居る。
「やぁやぁ!待ってたよっ!怪しくない証拠にほら、アンリだ」
「貴方、何されたんですか。ルイが怯えてるのは久しぶりに見ますよ」
「想像超えてキラキラしてキレ〜ってコーフンするでしょ」
「フロンティアのイメージを保って下さい、団長に叱られますよ」
「団長は怒らないよ〜。今、我らが設置しているのはキミたちの惑星なんでしョ?フロンティアの技術みしてあげる」
「そういうことらしい。では、私は仕事がありますので、皆をよろしくお願いします」
にこやかにさり気なく逃走した父の姿は、こうやるんだとルイに語っていた。
「ウェヌ」
「はい。皆さまこちらへ」
連れて行かれた先は宇宙港。そこには白に緑のラインの入っ さた宇宙船があった。
「このコ・ガーメで、第3隊の本船に向かいます。隊長も乗って下さい」
「はぁーい」
中は小型船と同じくらいだが座席はなく、操舵席もレーダーも無かった。
丸い光る輪の中にウェヌが立ち両手を広げる。爪がキラキラと光る。
「ウェヌ。見せてあげなよ、フロンティアの最先端」
「えぇ~」
彼女が振り返ると、その目や唇にも光が走っている。
「も〜」
腕を振る。
「発進します」
両手を前にすると船は動き出した。
「私は病気の治療で体内にナノマシンが非常に多かったんですけど、団長の考案した新型船の操舵に見込まれまして」
「ナノマシンによるエアジェスチャーでコ・ガーメを動かせるんだ」
「では、跳びます」
ぱんっ。
ウェヌが手を叩くと目の前に巨大な船と、オトホシがあった。
「上出来」
「ありがとうございます」




