6 であいとわかれ
3人が宇宙港のターミナルに向うと、ピカピカな坊主頭の彼は荷物カートに大型キャリーケース2つと、大容量のリュック姿で緊張した面持ちで立っていた。
「シオさん!よろしくお願いします!はじめまして!山田志信です。シシンと呼んで下さい。履歴書書いてきましたどうぞ」
受け取ったシオは、ペラっと目を通してユージンに渡す。
「どう?」
「いいと思うよ」
ユージンがルイに書類を渡す。
「18歳か。地球に帰れないけど、いいのか?」
「はい。実家には帰れないんで」
ルイの目を見て言い切るシシンに、ひとつ頷いてシオに書類を返す。
「いいと思う」
「合意ってことで。じゃあ、行くか」
出港手続きをしていると、ざわめきが近づいてくるのを、何事かと目をやると、白い人が居た。
「あ、どーも。ほら、昨日言った人」
ルイが軽く手を挙げると、相手も手を挙げた。
「はじめまして。僕はガブリエル・ミューズ」
「え?」
その名乗りに反応したのは受付をしていた職員だった。
「地球圏外離脱許可証だ。仕事は辞めた」
「ちょっと」
「なんだ」
「なんだじゃない。ちゃんと本名書いて。わかるから!私は貴方と同期!」
「っッくっ!2人は地球圏に置いていく」
「何を言っている。さっさと書く」
悔しそうにペンを取ると名前を書き直しさせられていた。
そっと皆で覗き込む。
ガブリエル・ミハイル・ラファエル・ミューズ。
天使が3人もいた。
「そっか。行くのか。天使、達者でな」
「お前もな」
彼の渾名が天使らしい。
気を取り直したガブリエルは向き直る。
「衛星環境技術研究をしていた、ガブリエル・ミューズ27歳。月での経験が役に立つかは分からないが、外宇宙の環境技術に興味があり同行をお願いしたい」
「地球圏に戻れなくても?」
「もう天涯孤独の身だ問題ない」
「わかりました。艦長のシオです。詳しくは後ほど。とりあえず、よろしくガブリエル。荷物は」
「コンテナひとつ手配して、搬入口に持ってきている」
「用意周到〜。ボクはユージン。操舵手」
「えっと、私も新加入のシシンです。よろしく」
月で2人追加で乗せて、シュガーソルト号は帰路につくのだった。




