5 ほうこくかいぎ
「じゃ~ん。うさぎもっちゅのプリン」
夜にシオの部屋に集まった3人は、ユージンの買ってきたスイーツで、食後のティータイムを始めた。
「今日、街を見て回ったんだけど、地球回帰みたいな思想あるみたい。結構強火な勢力も」
皿にうつ伏せて出すと、固めにぷるんとウサギが揺れる。
ソースをかけると可愛い姿がくっきりだが、躊躇いなく頭を削り取った。
「全員受けるって言う、宇宙適正検査が案外ネックになってるかもね」
「適性検査は宇宙移住始めた頃の爆発的な環境破壊のせいで地球が滅びそうになった事からはじまったそうだ」
「まだ限りある宇宙居住区の人口抑制と、かけがえのない世界の保守って、月面ガイドに書いてある」
「まあ、長く続いた制度だから不満の歪が蓄積されてるんだろう」
「不穏な感じで、怖いんだけど。衛星破壊兵器とか無いよね?」
「確か、太陽系では作れないように技術抑制されている筈だけど・・・~~シオくんちょっといい」
「どうぞ」
ルイは今日のことを忘れていた。
「外宇宙に行きたい環境技術系の研究者がいたんだけど、どうかな?本気なら明日ターミナルに来るように言ってある」
「まさかルイが人を仲介するとは」
「だよね。俺もそう思う」
苦笑するルイに、シオは頷いた。
「環境調整出来る人材は欲しいから、丁度いいけど。気軽でない星間移住に本気かどうかの問題だな」
「見た感じは大丈夫そうな人だったけど」
「そうか。そう言えばオレも1人スカウトしたんだ」
「へぇ。どんな人?」
「お坊さん。やってくれるって言うからお堂の管理とか頼もうと思ってる」
「オトホシの?確かに必要だけど、でもさすがに直ぐには行けないでしょ」
「それなんだけど・・・」
ユージンの言葉にルイは伝言を伝える。
「〈ゆっくりトランジット周りで遊びながら帰っておいで〉って」
声マネをしたら鳥肌が立ったので、咳払いをして辞める。
「父上様がオトホシの空域もう手に入るって言ってた」
「え、もう?」
「どうやって・・・おじさんならまぁ。うん、きっと方法とか聞かないほうがいいやつだねぇ」
「あと、ルビールビィの農業法人も持ってたみたいで、ファーム船で、全撤収したって言ってたけど」
「・・・ルビールビィの暴動はそもそも関係無いよね」
「それはさすがに無いだろう」
「ははっ、どーだか」
・・・・・・。
世界征服頼んだらやってしまいそうな気がしてきた。
「まあ、オレの思い付きのような、オトホシ再生計画に全力してもらった結果だから、素直に感謝しないとな・・・こんな速度で進むとは思ってないんだけど」
「無茶な速度は趣味だから。頼まれると張り切るタイプ。せいぜい御礼言うだけでいいよ」
「向こう戻ったら、宴席ぐらい設けたら?」
「ユージン、酒も飯も興味ない人に無駄だ」
「でも、御礼だけって訳にもいかないだろ。何か好なものあるか?」
ルイは、少し考えて手元を見た。
食べかけのプリンが揺れる。
「ユージン、これのぬいぐるみとかあるのか?」
うさぎもっちゅプリンを刺す。
「たくさんあった。多分ターミナルにも売ってる」
「あのナリでこういうの嫌いじゃないんだよ。モチモチしたの1番でかいのお土産にしよう」
こんなんでいいのだろうか。
もちっとした肌触りのいいやつの、1番でかいのがルイもすっぽりの1畳サイズだった。




