2 いじげんのひと
月面都市の通常エリアでは太陽圏外通信がで出来なかったルイは、衛星港玉兎のラウンジに来ていた。
ターミナル併設のラウンジカフェは、外宇宙通信が出来る唯一の場所。
半個室タイプの席を取り、回線を繋ぐと直ぐ通信が強引に入ってきた。
画面に出た人物に思わず嫌そうな顔をしてしまう。
『嫌そうな顔をするなルイ』
「勝手に通信繋いだりしないでくれませんか」
『どうせこれから連絡するところだろ。父さんが気を利かせたんだ』
ルイの父だった。
わかってますけど?な、表情にイラッとする。
「何?」
『若に伝言だ。また連絡つかないから』
「地球から帰ってきとこだから、明日には戻るよ。代わりに聞こうか?」
『・・・ルビールビィの暴動は知ってるな?』
「あぁ」
『まだ沈静化していないんだが、ウチのグループの農業法人はファーム船団で避難して、トランジットに居る。ルビールビィ籍の移住希望者全部乗せてな』
「・・・そんな所にもグループ企業持ってるんですね。農業法人はもしかして土地ごと売却とか」
『もちろん。丁度よかったからな』
『あと、出航早々派手にやらかしたあの空域の事だが、星間航路を遊びながらトランジット周りで戻れば、帰ってくる頃にはウチの法人名義に変えられそうだと伝えておくように「代表、宇宙調停裁判所への出発時間です」わかった、すぐ行く。頼んだぞルイ』
「は?ちょっ!」
エホシの爆破から、ざっくり半年で後始末完了するよという通信で、切れた。
「・・・うそだろ」
宇宙の空域変更が普通はそんなに早く片が付くものじゃないはずなのに、我が父は相変わらずの有能というか化け物であるらしい。
寧ろシオがフワッとしたイメージを伝えると喜んで現実に落とし込んでいくような・・・。
「・・・無理なことをするのが好きではあるんだよなぁ、あの人」




