2 検疫
木星のガニメデにある外宇宙港に入港した3人を出迎えたのは、宇宙警察ので検疫だった。
「ようこそ太陽系へ。今は惑星パレード期だから、海王星、天王星、土星全部見えただろう?まずはメディカルチェックを受けてもらう」
身分証を確認後、メディカルチェックを受け、血液検査の結果を待つ。
「MELROSEラインを通る空域なら、厄介な疾病の発生はないから大丈夫でしょう」
「厄介な疾病?」
「君たちの来た生活空域とは別方向の空域で、今までにない病気が広がっていると報告が入っている。星間航路じたいそっちと繋がってない空域もあるんだよ」
太陽系から外宇宙に出る方向が違うのだという。
「さて、結果だ」
3人まとめて検査結果を伝え始める。
「はい。銀河症候群は君たち二人だな」
「はい」
「俺も?」
ルイはまだしも、シオも銀河症候群という結果に驚けば、検査官はうれしそうな顔をする。
「知られてないけどね、症状じゃないタイプがあるんだよ」
ルイに向いて、結果を伝える。
「君の場合は遺伝子が完全に変異した、生活型の症状が顕在するタイプで健康に問題があるわけではない、分かりやすい銀河症候群だね。地球免疫は弱いから、予防接種受けて、月に向かってもらえばいい」
続いてシオに向き直る。
「君は外見に銀河症候群があるタイプだ。髪と瞳の色が地球の人間の色じゃ無いはずだ」
「普通の焦げ茶入った黒髪ですよ?」
ステラ惑星連合時代、儀仗騎馬隊の輸送の時に青鹿毛みたいな髪とか言われたが、黒髪だと自覚している。
「そう思うだろ?地球は彩度が違うから。色味が変わるらしい。データ見ると、カラーコード#003775金青というそうだ。私達も地球育ちじゃ無いから黒に見えるけどね。それ以外は良さそうなので、予防接種をして月」
「で、君だ。予防接種はしてもらうが、外宇宙から来ているのに君には地球免疫がある」
外宇宙の人類が世代繰り返すと失われる免疫をしっかり持っていたことが異常と思われたようだ。
「それは、母が地球出身なんです」
「まさか」
地球出身者が宇宙に出てもこの木星にさえ来たことはないのだ。
「もしかして」
宇宙警察の職員が何かを思い出した。
「ほら、アレですよ『私の彼はギャラクシーポリス』」
「あれはただのドラマだろ。フィクションだ」
「クレジットに実際の出来事を参考にしてますって書いてあります!」
様子を見ていた別の職員が、やれやれと2人を押しのける。
「地球のアイドルの秘密の彼氏は地球に捜査に来たギャラクシーポリスで、なんやかんやあって最後は銀河に旅立つ。っていう地球で大流行したドラマがあるのよ。10年くらい前の作品なんだけど。今時、現実では地球生まれが銀河系に向かうなんて無いのに」
「そう思いますよねぇ、普通」
地球の特撮の話しで苦笑する面々に、ユージンは意味深に言葉を返す。
「母の知り合いの人が絶対に題材に制作する。って言ってたらいしのでもしかしたら・・・かも?」
宇宙警察は騒然とした。




