7 こんなことも
ルビールビィはその名の通り、紅玉に輝く美しい惑星だった。
惑星と資源衛星に貴金属が多く含まれ、恐らく宇宙移住の発展期からの採掘の歴史を持つ。
到着までもうすぐという頃に、シュガーソルト号内に初のエマージェンシーコールが鳴り響いた。
艦橋を九曜に任せ、それぞれに下船の準備をしていた3人は慌てて艦橋に戻る。
「何があった?」
最初に到着したのはシオだ。元軍人の性なのかもしれない。
『惑星ルビールビィの宇宙港が閉鎖されています。入港設定が解除されました。星間ワープ安全装置作動。自動操舵解除してください』
「自動操舵解除。通常航行」
操舵席についたユージンが対応する。
遅れてルイも席についた。
肉眼で遠くに見える魅惑の赤い惑星ルビールビィと、その周りの宇宙空間で停滞する宇宙船群に混ざる。
「これだけの数の船が入港出来てないのか」
「どうしたんだろうね」
「あ、これだ。ルビールビィの農業従事者デモ拡大。ついに宇宙港閉鎖へ・・・」
ルイが見つけたのは数時間前のルビールビィのニュース速報だった。
採掘地以外の土地利用への増税、畜産農作物農場へ免税の撤廃、惑星圏食糧自給の見直しによる食品の星間輸入拡大等の要因で大規模な騒動になっているらしい。
「これ、再開するまで時間かかりそうだね」
「そうだな。というか、食糧自給の見直しで輸入拡大とか怖いことを。兵糧攻めされたら滅亡する」
「オトホシファームはその危機があってサトウシオヤ商会がはじめたんだよね」
「子供の頃よく聞かされた話だな・・・それはさておき、問題はクエストどうするかだ」
「問い合わせたら、戻ってキャンセルか、ひとつ先に進んで預け直しすればいいって」
ルイが既に確認を取っていた。
「運送業じゃなくて、あくまでも通過する宇宙船に乗せて運んでもらうってスタンスでいいみたいだから、往復して80光年なら、進んで60光年と思うけど?」
「異議なし」
「同じく」
「依頼者に連絡はしないといけないみたいだから、こちらで処理します」
「頼んだルイ」
「じゃあ行き先変更。次は惑星オリビアへ」
『惑星オリビア宇宙港衛星航行予定はおよそ2日と12時間です』
「ぴったりとは珍しい」
星間距離は案外ざっくり定めている所が多いので光年=1時間の星間ワープがぴったりなのも珍い。
「しかし、これだけ色んな星間宇宙船見る機会なかなか無いな」
「ボクも初めてだよ」
ルイがクエストの手続きを、ユージンが他の船を避けながら航行している中、シオは物見遊山気分で船を見物していた。
渋滞エリアを抜けると、シュガーソルト号は加速をして、星間ワープに入る。




