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転生したら子猫だった  作者: こっちのあっきー


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革命の車輪と、森の狩猟の革命にゃ!

「レオ、クマの肉が必要だ。特使共に見せつける、圧倒的な『豊かさ』の証明にな」

キラの冷徹な号令と共に、狩猟隊は雪が舞い始めた極寒の森へ急行した。キラの狙いはクマだけではない。今回の狩りは、猫の国を変える『車輪』の初陣でもあった。


「来たぞ……!」

森をなぎ倒して現れたのは、通常の三倍はある巨大な『魔獣グマ』だった。その咆哮だけでレオの髪が逆立つ。

「お兄ちゃん、りなが足止めしますの!」

りなが宙を舞い、肉球から放たれる大地の波動が地面を隆起させ、魔獣グマの突進を強制的に停止させる。その隙を逃さず、キラが動いた。


(真空形成、開始)


キラの周囲で空気が歪む。彼は対象の周囲の空気を瞬時に吸い出し、局所的な「真空」を作り上げた。同時に、強烈な冷気を放出して急激に温度を下げる。

「グッ、ガァッ……!?」

呼吸の道が断たれ、魔獣グマは窒息の苦しみにその場で悶絶する。キラは冷酷な目で、獣の意識が急速に刈り取られていく様を見つめる。空気という生命維持の基盤を奪われた獣にとって、キラの支配下では息をすることさえ許されない。


「今だ、レオ! 意識が途切れた隙に、心臓を貫け!」

レオは獣の膂力を上回る精密な一撃を叩き込み、魔獣グマを真っ向から沈めた。


しかし、その巨大な死骸の血の匂いに誘われ、森の深部からさらなる殺気が這い寄ってきた。巨木をへし折りながら現れたのは、コモドドラゴンを彷彿とさせる、鱗に覆われた漆黒の『巨大森トカゲ』だった。


りなは目を丸くして、その巨大な影を見上げる。周囲の狩猟隊の猫たちも、獲物の大きさに息を呑むが、誰一人として怯えはしない。

「……でっかいトカゲにゃ」

「本当だにゃ、あれは獲物だにゃ」

「トカゲ、にゃ……?」

猫たちは皆、幼い頃からの癖で自然と語尾が「にゃ」と重なる。全長は荷車二台分にも達するが、彼らにとっては、それがどれほど凶暴であっても「今日の晩餐と王都への土産」を豪華にする極上の食材であることに変わりはない。


「お兄ちゃん、りなにお任せですの! この子、ちょっと育ちすぎですの。根っこで大人しくさせてあげるですの!」


りなは小さな両手を合わせ、大地の深淵に眠る精霊を呼び覚ます。彼女が足元を強く踏みしめると、地中から無数の太くしなやかな『鉄棘のつた』が鎌首をもたげ、巨大森トカゲの四肢を瞬時に縛り上げた。


「今ですの! 動けないうちに、植物の芽を送り込みますの!」


りなはトカゲの傷口に優しく手をかざし、大地の魔力を注ぎ込む。途端、トカゲの体内で無数の種子が急速に発芽し、胃や肺といった内臓の隙間で枝葉が暴れ回る。硬い鱗を纏った外側からは見えないが、内側から確実に生命力を奪う、植物の巫女ならではの静かなる制圧だ。


「レオ、トカゲさんが苦しそうですの。トドメを刺してあげるですの!」


キラが気圧を操作してトカゲの平衡感覚を狂わせた隙に、レオが最大火力の剣閃を叩き込む。

巨大な死骸がドシンと大地を揺らして倒れ込む。レオは荒い息を吐きながらも、その巨大な獲物を手際よく解体し、次々と荷車へ積み込んでいく。


「これが車輪の力か……! 今までなら一頭運ぶのに三人がかりだったものが、今は一人で何頭でも積み込める!」


荷車が軋む音を響かせ、戦場を駆け巡る。戦いながら、狩りながら、運ぶ。

キラの瞳には、狩猟という野蛮な行為を、洗練された『工業的な収穫』へと塗り替える狂気的な合理性が宿っていた。

戦いが終わる頃、森の入り口には、山と積まれた獲物が鎮座していた。キラは、その光景を誇らしげに見渡し、王都の使者を迎える準備が整ったことを確信した。


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