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『猫の国』の朝と、ニナの優しい手にゃ!
そんな隣国の中枢の陰謀など、どこ吹く風。
キラたちの統べる『猫の国』には、今日もこれ以上ないほど穏やかで温かい、最高の春の陽気が満ち溢れていた。
出世を遂げたレオと、太陽のような笑顔のニナの新居。
朝の光が差し込むリビングで、ニナは特製の『猫豆油』を使った美味しい朝食をテーブルに並べながら、ふと自分のふっくらとしたお腹にそっと優しい手を当て、愛おしそうに目を細めていた。
「ニナ、どうしたの? どこか具合でも悪いのかい?」
レオが心配そうに覗き込む。ニナはクスッと笑って、これ以上ないほどの幸せな笑顔を浮かべた。
「ううん、違うの、レオさん。なんだか最近ね……お腹の奥がぽかぽかと温かくて、小さくて優しい『命の足音』が聞こえるような気がするの。ほら、私、蝶々さんたちとお話しできるようになってから、そういう自然の感覚にすごく敏感になったみたいで……」
「え……っ!? じゃ、じゃあ、それって……!」
レオが驚きと歓喜で皿を落としそうになる。人間たちの間に、まさに新しい春の訪れ――「小さな命の芽生え」の予兆が訪れていたのだ。




