隣国の中枢、蠢く影たちにゃ!
「魔獣部隊、中型1000体に加えて、切り札であった大型魔獣200体――すべて壊滅いたしました」
その報告を聞いた隣国の重鎮たちは、言葉を失い、次いで怒りに顔を歪めた。
この地を救ったのは、伝説の影の総大将キラと、大地に愛された『自然の巫女』りな。彼らの連携の前に、欲に駆られた軍勢は、残骸すら残さず霧散させられたのだ。
隣国の大都市の中枢――怪しく冷たい魔力の灯火が揺れる謁見の間。
そこでは、国家の重鎮である傲慢な大臣や高位の魔術師たちが、青ざめた顔で平伏する指揮官の報告を苦々しい表情で聞いていた。
「……何だと? 500の精鋭と、魔獣の群れが、たかが一地方の野良猫どもの集まりに手も足も出ず敗走しただと? 挙句の果てに、大気を操る猫の化け物に脅迫されただと!?」
ドォン、と重苦しい杖の音が床に響く。
「ま、間違いありません、大臣閣下……! あの町はもはや普通の土地ではございません。溢れんばかりの富(猫豆)と、兵士の限界を超えた肉体を持つ騎士ども、そして世界の理を歪める『魔法猫』どもが巣食う、恐るべき化物国家です……!」
指揮官がガタガタと震えながら弁明する。重鎮たちは互いに顔を見合わせ、その貪欲な瞳に冷酷な光を宿した。
「ふん、ますます見過ごせんな。それほどの富と神秘の力、我が国が手に入れれば王都すら平伏させられる。力ずくで奪えないなら、搦め手がある。あの町の『中枢』を内部から腐らせてくれるわ」
暗闇のなかで、新たな悪巧みの計画が静かに練られ始めていた。




