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転生したら子猫だった  作者: こっちのあっきー


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王の微笑みと、遥かなる旅路へにゃ!

「お兄ちゃん、お外の風の匂いが、少し変わりましたの……?」


 キラの胸元で丸くなっていたりなが、不安そうに小さなお耳をぴこぴこと震わせた。窓の外では、豊かになった町が平和な夜を迎えている。しかし、りなの敏感な感覚は、遠い国境を越えて忍び寄る「嵐」の気配を、誰よりも早く察知していた。


 キラは優しい笑顔を浮かべ、大きなフワフワの体でりなをそっと包み込み、彼女の背中を肉球で優しくトントンと叩いて安心させた。かつて過酷な環境で生き抜いてきた自分たちが、今ではこうして温かい家と、共に笑い合える家族を持っている。その幸福の重みを、キラは誰よりも理解していた。


「心配するな、りな。どんな嵐が来ようと、俺がお前の完璧な盾だ。俺たちが作り上げてきたこの平和な国、そして何より、今の俺たち自身を……邪魔させるつもりはない」


 キラの頼れる、落ち着き払った大人の声。りなは、その言葉に宿る確固たる意志を感じ取り、不安を捨てて、いつもの世界を明るく照らすような「ニッコニコの笑顔」を浮かべた。


「みゃう(はい、お兄ちゃん! 私、ずっとお兄ちゃんと一緒にいますの!)」


 その様子を、リビングの片隅からレオとニナが微笑ましく見守っている。

 レオは、キラから授かった『高栄養粉末』の力で、以前よりも身体がひと回り逞しくなっていた。彼らの暮らしには、もう飢えもなければ、不安もない。ただ、穏やかな日常と、これからも続いていく未来への希望だけがあった。


 しかし、平和な夜空の向こう側では、不穏な軍勢が静かに、そして着実に牙を剥こうとしていた。

 大豆の奇跡によって、世界でも類を見ない「豊かな聖域」を築き上げたキラたち。だが、その豊かさが仇となり、運命の歯車が大きく回り始めようとしていた。


 キラは、眠りにつくりなを見守りながら、窓の外の闇を見つめる。

 猫たちの絆を武器に、知恵を盾に、そして家族を守るという揺るぎない覚悟を胸に。


 世界は広く、彼らの物語は、ここからさらに壮大な冒険の渦中へと足を踏み入れていくことになる――。


(第十章:至高の副産物編 ・ 第一部・完)

『猫の国のもふもふ総大将 〜最弱精霊猫の物理ハックと掛け算栄養学〜』第二部(第11章〜)へつづく!


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