『奇跡の搾りかす』と、究極のプロテインにゃ!
しかし、キラの知恵の真骨頂はここからだった。油を搾り取った後に残る、水分を完全に失ってカラカラになった大量の「搾りかす」。これこそが、体が強く健康になるための「最強の栄養源」だった。
キラは自然の力と温度の管理を組み合わせ、その搾りかすを一瞬で極限まで乾燥させ、サラサラとした純白の『高栄養粉末』へと昇華させた。
(よし。この粉末は、不要な脂が抜けて純粋な栄養の塊になっている。これがあれば、誰でも健康で、健やかな体を手に入れられるぞ)
「少年、これを毎日の訓練の後に水に溶かして飲め。お前の体の力が飛躍的に上がるはずだ」
キラの声がレオの頭に優しく響く。
レオは早速、その粉末を水に溶かして飲み始めた。味はほんのりと香ばしく、驚くほど喉越しが良い。
最初の数日は、身体の中に今まで感じたことのない熱が巡るような感覚があった。そして四日目の朝、レオが起床した際、驚くべきことに、昨日の激しい訓練の疲労が、まるで霧が晴れるように消え去っていたのだ。
「体が……羽のように軽い……!」
その日の午後の模擬戦。レオはいつも通り、騎士団の厳しい訓練に臨んだ。
かつては先輩騎士に圧倒されていた剣技も、今のレオは違った。体幹が鋼のように強固になり、どれだけ動いても呼吸が乱れない。
先輩騎士が全力で放った横薙ぎの剣を、レオは最小限の動きで回避し、次の瞬間には背後に回り込んでいた。圧倒的なスタミナと、研ぎ澄まされた筋肉の反応。レオの一撃が木剣を弾くと、先輩騎士は呆然として立ち尽くした。
「おい、レオ……お前、一体何をしたんだ? 今の動き、騎士団長の若かりし頃を彷彿とさせるぞ……!」
レオの周囲に人だかりができる。レオはキラの方をチラリと見て、少しだけニヤリと笑った。シロがくれたこの力が、今の自分の全てだった。




