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『植物の巫女猫』の誕生にゃ!
「み、みゃうぅ……!? お兄ちゃん、今のは何ですの……!?」
自分の手から植物が生まれたことに驚き、りなは大きなお耳をペタンと伏せて、慌ててキラの白い胸毛のなかにトコトコと潜り込んできた。
キラは『魔眼』を駆動させ、りなの体内信号(カリウムやカルシウムの電解質バランス)を瞬時にスキャンした。
(おそろしく純粋な、大地の魔力回路が開通しているな。過負荷の赤(危険)じゃない……これは完全に、世界の慈悲に祝福された『正の干渉』だ)
前世「キラ」としての冷静な頭脳が、彼女の覚醒の正体を瞬時に見極める。りなが目覚めさせたのは、植物の成長を促し、土壌を活性化させる【豊穣の魔法】だった。
「りな、怖がらなくていい。それはお前が、この国の畑を豊かにしたいと心から願ったから、世界が応えてくれた優しい力なの」
キラの頼れる後ろ盾の声が頭に響き、りなはホッと安心したように金色の瞳を潤ませた。
(やれやれ……。こんな素晴らしい奇跡を起こすなんて、本当に自慢の妹……いや、俺の最高のパートナーだな)
キラは悪い気がするはずもなく、誇らしげに髭を揺らし、りなの頭を肉球で優しく撫でてあげるのだった。




