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『精霊の目覚め』と、神秘の予兆にゃ!
だが、世界の理の変化は「声が聞こえる」だけに留まらなかった。
数千匹もの猫たちの電位バランスが極限まで安定し、キラの強大な精霊猫としての波長と共鳴し続けた結果、猫たちの肉体そのものに【精霊的要素(魔法の適応性)】が目覚め始めたのだ。それは野蛮な魔獣への先祖返りではなく、世界の神秘をその身に宿す『魔法猫』への進化だった。
その最初の兆候は、誰よりもキラの側でその純白のオーラを浴び続けてきた、最も愛おしい存在――黒猫の『りな』に現れた。
ある穏やかな午後のこと。レオの部屋の特等席でキラにぴったりと寄り添っていたりなが、小さく可愛いくしゃみをした。
「くちゅんっ……!」
その刹那、りなの小さな黒い肉球の先から、キラキラと輝く「緑色の光の粒子」がぽろぽろと零れ落ちた。その粒子が床に触れた瞬間、木目の隙間から小さな美しい新芽が、見る見るうちに芽吹いたのだ。




