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完璧なる『循環の糧』にゃ!
猫たちが作法を守って指定の砂場に排泄したものは、カラスたちの仲間によって毎日一斉に回収された。
キラはこれらを大豆畑の奥にある巨大な溜め場へと集め、大気の暖かさを微かに操る力を駆使して、発酵に最適な熱を保ち続けた。これにより、排泄物は無駄な匂いを消し去り、大地の生命力を最大限に引き出す「命を育む極上の糧」へと生まれ変わった。
出来上がった糧は、ふかふかとしていて、まるで大地が深呼吸をしたような柔らかな土の香りがした。キラがこれを手際よく畑の畝に撒いていくと、土そのものが喜びを感じているかのように、ポカポカと温かな鼓動を始めた。
わずか数日で、それまで痩せていた土地には見たこともないほど力強い緑の芽が次々と顔を出し、小麦は黄金色の穂をたわわに実らせ、大豆は瑞々しい葉を大きく広げた。収穫量はこれまでの数倍へと跳ね上がり、町は活気に満ち溢れた。
「猫たちは、街を一切汚さないどころか、畑をさらに豊かにする『聖なる恵み』まで残してくれるのか……!」
人間たちは猫たちの圧倒的な知恵と清潔さに、もはや驚愕を通り越して深い敬意を抱き、猫たちの神聖視はさらに決定的なものとなっていった。




