36/105
レオの驚愕と、窓辺に積まれる『奇跡の豆』にゃ!
翌朝、見習い騎士レオが目を覚ますと、部屋のテーブルの上には信じられない光景が広がっていた。
昨日まで何もなかったはずの場所に、丁寧に殻を剥かれた大量の『野生の大豆』の山と、キラの【空気の密度・温度管理】を応用した超高圧浸水によって、一晩で限界まで水を吸ってパンパンに膨らんだ『完璧な戻し豆』の器が置かれていたのだ。
「な、なんだこれ……!? カチカチで食べられないはずの野良豆が、どうしてこんなに柔らかく……?」
レオが呆然としていると、窓の外から「トコトコ……」と無数の足音が響いた。
見れば、ボス猫をはじめとする町の野良猫たちが、口々に大豆の詰まった莢を咥え、列をなしてレオの部屋の窓辺へと運んできていたのだ。その先頭には、キラがちっちゃな胸の白毛をしっかりと張り、隣にはりなが嬉しそうに尻尾をパタパタと揺らして座っている。
「シロ、りな……! お前たちの仲間が、これを全部集めてくれたのか……!?」
冷害で飢えていた人間の騎士たちにとって、この山のような大豆は、まさに天から降ってきた救いの食料だった。子猫たちが、自分たちのために「幸せ」と「命」をトコトコと運んできてくれたのだ。




