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魚だけでは補えぬ『五大栄養素』の壁にゃ!
りなをレオの部屋に迎え入れ、キラたちの生活環境はさらに盤石なものとなった。りなはレオの部屋のふかふかのクッションがすっかりお気に入りになり、キラの隣で毎日ニッコニコの笑顔を浮かべていた。
しかし、キラの天才的なサバイバル頭脳は、次なる深刻な問題を見落としていなかった。
(……人間の肉体は、猫とは違う。川魚(タンパク質・脂質)とハーブ(ビタミン)だけでは、レオたち人間の激しい武道の訓練に必要な『エネルギーの持続性』が絶対に足りなくなる。すなわち、糖質と、植物性タンパク質による五大栄養素の完璧なパズル(調和)だ)
レオは最近、訓練の後半になると、エネルギー切れによる深刻な虚脱状態を起こして急速に動きが鈍くなっていた。魚だけでは、人間の筋肉のグリコーゲンを即座に満たすことはできないのだ。
だが、冷害のせいで、小麦や米といった主食用の穀物は、人間たちの市場でも高騰しきっている。
(穀物に代わる、安価で、かつ爆発的な栄養価を秘めた『奇跡の食材』を調達しなければならない)
キラは猫耳ネットワークを再駆動させ、街の周辺の、人間たちが「使い道がない」と見捨てている未開拓のエリアの調査を命じた。




