影の総大将と小さな特等席にゃ!
翌朝、雨は綺麗に上がり、澄み切った青空が広がっていた。
街の裏社会を束ねるボス猫が、配下の野良猫たちを引き連れて、りなの隠れ家へとトコトコと集まってきた。
「総大将! 昨夜の雷雨のドサクサに紛れてシマを荒らそうとした他所の野良犬ども、俺たちのネットワークで完璧に追い払っておきましたぜ!」
ボス猫が胸を張って報告する。
キラは「にゃん(よくやった)」と短く鳴き、前世の知識を応用した栄養学で仕込んだ極上の干し肉を、ボス猫たちに報酬としてポンポンと投げ与えた。
「うおおお! これだ! 総大将の飯は世界一だぜ!」
「一生ついていきます、総大将!」
歓喜に沸く裏社会の猫たち。
その圧倒的な「影の総大将」としての凄みを発揮するキラのすぐ隣で、小さな黒猫りなは、畏まることもなくキラの白い毛並みに「すりすり」と甘えるように体を寄せ、その頼れる背中にちょこんと顎を乗せていた。
どれほど世界に恐れられようと、キラにとっての最高の癒やしは、この自分を信頼しきってすがってくる小さな存在だった。
キラは、りなが乗りやすいように少し背中を丸めてやりながら、とても満足げに目を細め、幸せそうに喉を鳴らすのだった。
(第二章:裏社会のボス猫と『猫のネットワーク』編 ・ 完)




