頼れる背中と、解ける境界線にゃ!
「み、みゃう……っ」
キラの暖かい、傷一つない、乾いたふわふわの毛並みに包まれた瞬間、りなは驚いたように大きな金色の瞳を見開いた。
間違いなく、この白いお兄ちゃんが自分を寒さと恐怖から完璧に遮断してくれている。そう理解した瞬間、りなは堰を切ったようにキラの胸元に顔を埋め、小さな前足でギュッとキラの毛を掴んだ。
(あの暗闇の記憶の中で、ただ孤独に戦っていた俺が、異世界でこんな小さな命に100%頼られている……。悪い気は、まったくしないな)
りなが自分を信頼しきってすがってくる感触が、キラの魂の奥底にある優しさをどこまでも満たしていく。頼れる後ろ盾として、この子の世界を俺が完璧に守ってやるんだ、という意識が心地よく腑に落ちた。
キラは【温度管理】の魔力を微かに駆動させ、りなを包む空間だけを、ぽかぽかと陽だまりのように温めてやった。
温かさと圧倒的な安心感に包まれ、りなの震えが次第に収まっていく。
「みゃう……(お兄ちゃん、あったかい……)」
りなは安心しきったように、ゴロゴロと小さな喉を鳴らし、キラの腕の中で引き込まれるように眠りについた。その無防備な寝顔を見つめながら、キラは、この弱々しい子は俺がずっと支えてやらないとな、と改めて強く思うのだった。




