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転生したら子猫だった  作者: こっちのあっきー


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13/105

トラップ&ネゴシエーションにゃ!

「キィ?」


倉庫の奥から、美味しそうな「超高温で熱せられた極上穀物の匂い」に誘われて、装甲ネズミがトコトコと姿を現した。もちろん、その匂いと熱は、キラが【空気の密度・温度管理】で局所的に大気を弄って作り出した偽のトラップだ。

ネズミが完全に人間用の大型罠の真下に足を踏み入れた、その刹那。


(調律完了。――落とせ)


キラが肉球を小さく握ると、罠のロープを固定していた滑車の空気が瞬間的に断熱圧縮され、凄まじい高熱によってロープが焼き切れた。


ガシャァァァァァンッ!!!!


凄まじい金属音と地響き。上空から自由落下した数十キロの鉄板が、装甲ネズミの巨体を完璧に地面へと縫い付けた。ネズミは自慢の装甲も意味をなさず、強烈な位置エネルギーの前に完全に圧殺され、ピクリとも動かなくなった。


梁の上からトコトコと降りてきたキラは、呆然とそれを見つめていたボス猫の前に歩み寄った。


「あ、アニキ……。触れもしねえで、あの化け物を一撃で……」


キラはあえて何も語らず、レオの部屋から用意しておいた、乗算栄養学によって極上の旨味へと昇華された『特製干し肉の切れ端』を、ボス猫の前にポンと置いた。


「(これを、戦ってくれたお前たちの仲間に分けろ。そして、この街のすべての路地裏の情報を俺に集めるんだ。分かったな?)」


圧倒的な知性と物理法則を操る恐怖、そしてそれを上回る「極上の報酬」の提示。力で無理に支配するのではなく、圧倒的なメリットで首輪を繋ぐ大人の交渉術に、ボス猫は完全に魂を奪われた。


「へ、へい……! 一生ついていきます、アニキ……いや、総大将!」


この日、街のすべての野良猫、そこで空を飛ぶカラスたちまでもが、一匹の白い子猫を「影の総大将」として仰ぐ、真の【猫耳ネットワーク】が裏社会に完全成立したのだった。


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