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転生したら子猫だった  作者: こっちのあっきー


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白いフワフワの奇跡、ヤマトの生活革命にゃ!

山の険しい崖を登った先、そこには人の背丈ほどの植物に、まるで雪が積もったかのような「真っ白でフワフワした丸い塊」が、見渡す限りに自生している神秘的な光景が広がっていた。

「うわあ……なんだこれ? 白い虫の巣か? それとも、触ったら毒でもあるのかな……」

青銅の剣を構えたレオや兵士たちは、見たこともない不気味な植物に警戒して一歩退いた。鉄器の概念すらない彼らにとって、未知の植物は恐怖の対象でしかなかった。

しかし、りなは恐れるどころか、自慢の大きな赤リボンをフリフリさせながら、トコトコと嬉しそうにその白い塊に駆け寄った。

「みゃう〜〜! 悪いものじゃないですの! この子たちは、とっても優しくて、みんなをポカポカに暖めてお腹を守ってくれる、すっごく良い子たちですの!」

りなが小さな肉球でポンとその植物に触れた瞬間、まばゆい緑の力が弾け、フワフワの綿毛が一斉にキラキラと輝き出した。大地の精霊であるりなだからこそ、この植物――『綿花コットン』の真の価値を直感したのだ。

それを見たキラ(白)は、前世のやりくり知識と照らし合わせ、脳内で状況を瞬時に分析していた。

(なっ……これは、綿花コットン!? まさか、この青銅器時代レベルの世界に、これほど上質な綿が手付かずで自生していたとは……!)

キラの頭脳は秒速でその価値を計算していく。ゴワゴワの麻布しかないこの世界で、この綿花があればどれほど凄まじい革命が起きるか。

(シルクは王都のタヌキどもを釣るための「外交カード」だが、このコットンは、我がヤマトの人間や猫たちの生活水準を底上げする「最強の基礎インフラ」だ。隙間風の酷い木造の家でも、これの中に綿を詰めれば、冬の生存率は100%になる。さらに、吸水性の高い包帯を作れば、怪我の感染症も防げる。……りな、お前はとんでもない財宝を見つけてくれたな)

キラは「よくやった」と、りなをフワフワの白い体で優しく抱きしめ、りなはこれ以上ないほどの笑顔で「みゃう〜〜!」と喉を鳴らした。

村へ綿花を持ち帰ると、村長のおじいちゃんとキラの指示によって、ヤマトの生産ラインはすぐさまアップデートされた。塩害が一切なく、綺麗な岩清水が潤うヤマトの土地は、水を好む綿花の栽培に完璧に適合していた。ニナの指導のもと、村の女性たちが綿から種を抜き、糸を紡いでいく。

完成したのは、驚くほど軽くて、柔らかく、汗を吸い取る『純白のコットンの服』と『ポカポカの綿布団』だった。

「シロちゃん、りなちゃん、すごいわ……! これなら、麻の服みたいに肌が赤くならないし、これから産まれてくる赤ちゃんを、世界一柔らかい布で包んであげられる!」

ニナは涙を浮かべて微笑み、りなの首に新調したフワフワの綿仕立ての可愛い赤リボンを結んであげた。レオたち騎士団も、重い青銅の鎧の下にコットンのインナーを着ることで、金属の擦れによる痛みが消え、スタミナのロスが劇的に減少した。

その光景を見ながら、村長のおじいちゃんは集まった村人たちを力強く見渡し、堂々と宣言した。

「……以前、帝都から独立を認められた際にも言ったが、この地には古来より『ヤマト』という名がある。我々が守り、切り拓いてきた土地の正式な名だ。今は猫たちがこうして豊かさをもたらしてくれているおかげで、親しみを込めて『猫の国』という愛称で呼ばれることが多くなった。……まあ、どちらで呼んでも構わない。対外的には正式名称の『ヤマト』、内輪では愛着ある『猫の国』。村と言っても、もうただの村の規模ではないからな。これからもこの豊かな土地を皆で育てていくぞ」

そう語る村長の言葉に、村人たちはニッコニコの笑顔で応え、ヤマトの軍事力・生活力は、帝都すらも凌駕する次元へと突入したのだった。


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