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ラトゥナ・ケートの児童文学集

二千五百年目の青睡蓮~お騒がせ皇女は花を摘ませない~

作者:宝田旗子
最終エピソード掲載日:2026/09/09
この物語は、伝説の花を咲かせようとした一人の水景士が、失われた湖と、その土地に残された記憶へ辿り着くまでのお話。

「お騒がせ皇女」サージェッツァが、大聖者ゆかりの聖蹟を掘り返し、野外劇場を造ろうとしていました。

その水景設計を任されたのは、皇女の支援を受ける若き水景士ニンファ・エア。

泥も、水草も、魚も、蛙も。
すべてを水辺の一部として扱う彼女の仕事を、サージェッツァは面白がっていました。

そんな工事の途中、地中から一つの青銅の聖櫃が発見されます。

中に残されていたのは、一粒の種と、

「湖の青き花、その最後の種」

という古い言葉。

それは、二千五百年前の大聖者にまつわる伝説の花――青睡蓮の種かもしれませんでした。

けれど、その種が本当に生きているのか。
芽を出すのか。
そもそも、伝承に語られる青睡蓮とはどんな花だったのか。

誰にも分かりません。

「芽が出ると思うか」

皇女に問われたニンファは、答えます。

「分かりません」

するとサージェッツァは言いました。

「そうか。なら、分からないと言える者に調べさせよう」

清らかな水。
泥。
水草。
小魚。
古い写本。
忘れられた水路。
湖畔に残る昔の歌。

一粒の種を追ううちに、ニンファはやがて、伝説の花だけではなく、その花が生きていた場所そのものへ目を向けることになります。

青睡蓮は、なぜ姿を消したのか。

大聖者の伝承は、何を伝え残してきたのか。

そして、人は失われたものを、どこまで取り戻すことができるのか。

水景士ニンファ・エアと、お騒がせ皇女サージェッツァが辿る、青睡蓮と湖をめぐる物語。

前編・後編+サージェッツァ皇女視点の後日談、全3話完結。

――記すのは、わたくし、ラトゥナ・ケートでございます。
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