↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様! TRPGの世界にPL-私-を突っ込まないでください! ~ルルブ知識と夢回想イベントだけで1万の軍勢を10万に勝たせろなんて無謀じゃないですか!?~  作者: mizuchi_0307
『仮面』の裏側

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/39

神様ってなんだろね

 今までの夢と違った。まるで壊れかけのモニターのようにノイズがいくつも走っている。

 いくつもの光景が走り去る様に再生される。

 これは、私が拾った、いくつかの光景。


 山道を駆け上がる。私を助けてくれた龍の紋章を付けた人も、一緒にきた人に殺された。みんなみんな殺された。何のために殺し合うの? わからないけど、死ぬのは嫌だ。殺されるのを見るのも嫌だ。嫌だったらどうしたらいいの? 手を差し伸べてくれた女の子が、教えてくれた。守ればいいんだよって。うん、わかったよ、エリアーナ。私は貴方を守れるぐらい、きっと強くなるからね。


 私は山道を降りていた。4人の仲間と、ゼーレンに向かって歩いていた。

 エリアーナ、カイ、トーマス、レオン。

 首都ルミナスで半年間、新兵として鍛えられた中でも優れた騎士だからと、ゼーレンへの配属が決まったのだ。こんなの当然! 私は昔から一番だもんね! だからみんなを守るんだもん! 中でも私は新兵はおろかここ最近の騎士の中でも機動力が最も高いとお墨付きまでもらってる。嬉しいな! ゼーレンはいつも帝国から喧嘩を売られていると聞いているから、私が絶対守るんだって思ってたから本当に嬉しい! 自信をもって山道を下っていた。

 途中、美味しそうな果実が見えた。あれが陽光果かな? 美味しいと噂だけどなかなか採れない貴重品らしいから……と思って手を伸ばしたらエリアーナに怒られてしまった。

 相変わらずエリアーナは真面目で厳しい。だけどちょっと先走っちゃう私をいつも支えてくれるいいバディ!


 ゼーレンの先輩騎士は凄く体力がある人たちだった! 簡単には倒れてくれない。普段使わない頭を使って、転がすことはできたけどもっと簡単に倒せたらな。レオンによく言われたっけ。もっと君は頭を使えって。それが出来れば苦労しないって!

 それでも初日から先輩たちと張り合えた私はすごい奴って、カッセルさんがジュースをくれた。道中で拾えなかったあの陽光果のジュースだった! なんか、変な味がした気もするけれどとても美味しかった。また飲みたいな!


 訓練所で次々とゼーレンの先輩騎士を倒していく。遅い。凄く遅い。こんなに遅いなんて。

 支部長が不安がるわけだ。カッセルさんが陽光果のジュースをくれた。優秀な私へのご褒美だって。美味しい。これを飲んだら強くなれる気がする。いや、強くならないといけない。何のために? 守るために? そう、ゼーレンを守るため。襲ってくる帝国兵を殺すため。殺すための、道筋が見える。このジュースは凄いね。


 守れなかった。誰を? わからない。誰かを守りそこなった気がする。これは私の記憶なの? わからない、わからない、わからない……

 わからないけど、殺せばいい。そうだ。奪った帝国兵を全部、全部殺してしまえばいい。全部全部全部……


 私には素質があるとザメックおじさんが変わった手甲を私にくれた。ザメックおじさんはちょっと悲しそうな顔をしていた。何でだろうね? 魔石をはめて、念じれば、光の盾ができるんだって。試してみた。一瞬だけできた。でも一瞬だけ。支部長がコツを教えてくれた。感情を高ぶらせればいいんだって。帝国兵を殺す時の感覚を思い出せって。あははっ! そう念じたら凄く長く使えるようになっちゃった!


 またあの夢。守れない。いくらやっても守れない。誰を守れなかった? そもそも、私は私なの? わからない、わからない、わからない……でも、いいや。全部壊しちゃえ。全部殺しちゃえ! 全部全部全部!


 どう動けばいいかが手に取るようにわかる。頭も体も、帝国兵を殺すために最適化されてとてもすっきり気持ちいいね! 殺して殺して殺して……ぜーんぶ私が守ってあげるっ! あははっ!


 守れなかった。エリアーナも、トーマスも。エリアーナが犠牲になって、カイだけが救えた。レオンはルミナスに戻って、私達を守るって言った。余計なことをしないで。何で守られなくちゃいけないの? 私が、私が守るつもりだったのに。力が足りない。足りない……どうしたらいいかわからない。そうだ、殺そう。帝国兵を殺そう。それしか私にはできない。


 支部長が教えてくれた。帝国兵を殺したいって感情は支部長のだったって。私に理解してほしくてやったって。何でこのタイミングで説明してくれたんだろう? でもすっきりした。わからないのがわかるって気持ちいいね。それはそうとして、もう遅いよね。帝国兵を殺すのは、楽しいもん。今更だよ。だから心配しなくてもいいんだよ。支部長。これからは私がゼーレンを守るから!


 お金がないらしい。どうして? ゼーレンには何もないらしい? どうして? あんなにおいしい果実があるのに。生産ができない? できないんじゃなくてしてなかったんじゃないの? 最近、帝国兵がこない。殺せない。楽しくない。そうだ。美味しいジュースでも飲めれば少しは気が晴れるかな? どうしたらみんなに生産させられる? そうだ。ゼーレン全体の特産品になる様に根回ししちゃえばいいんだ! あははっ! 私って天才! そうだよ、上手くいかないんなら全部自分で作っちゃえ! でも、これをやって見せたらエリアーナがとても頭が痛そうにしていた。……表立っては、今後はやめよう。

 でもごめんね。これのおかげで、陽光果は何も悪くないってわかったよ。支部長もカッセルさんも、もうみんなに悪いことしないってわかったよ。私の大好きなジュース、悪いものを入れてたのは自分達だってきちんと白状できたもんね。守りたかっただけだもんね。気づいてたからわかり合えてよかったよ。だから、もうゼーレンの中は大丈夫。安心して、エリアーナ。あとは外。帝国だけ。


 私は殺すのが楽しい! これがないともう生きていけない! でも、エリアーナはそれが面倒なんだって。だから支部長に可愛がってもらえ、だって。エリアーナがそういうんならいいよ。私の事なんて好きにしちゃっていいよっ! あははっ! どうせもう戻らない!

 ……だけど。後で気づいた。エリアーナも壊れかけていた中での判断だって。私はまた間違えた。


 ザメックおじさんがバルドとディオンの体を戻す方法を見つけたらしくって、ますます私とエリアーナとトーマスに負担がかかるんだって。ザメックおじさんは辛そうだったけど、楽しくやろうよって励ましてあげてた! だって、ザメックおじさんの作る玩具は全部面白くって私は大好きだし。ザメックおじさんって凄いよね。アイデア全部形にできるもん。そうだ! 私が色々アイデア出してあげよう! きっと楽しいぞ~!


 支部長があの時何で教えてくれたのかわかった気がする。支部長はもう家族なんだ。大事な家族を亡くしてしまったけれど新しい家族を見つけれたんだ。……本当に、よかったね。


 魔力は感情からうまれるらしい。私が調整中に寝てて聞いてないと思って、支部長とザメックおじさんが言ってたのを盗み聞きしちゃった! とっても嬉しい! だからエリアーナはあんなに強いんだね! でも、その代償にエリアーナは感情を表に出すと苦しそうにする。無駄なエネルギーを使うなって頭が命令するんだって。……酷いよね。でもそこに追い込んだのは……私だ。守るから。エリアーナが壊れ切らないように絶対に。


 どうせ私は壊れてる。


 一瞬大きなノイズが走る。そして続きが流れ始める。


 セシリアがおかしな動きをしていたから、ついていったらサイコロを拾った。普通のサイコロは立方体だけど、これは10面あるみたい。誰が考えたんだろう。確かにこれは均等な確率で全ての面が出るね。面白い。でもそれ以上に面白そうなものを見つけた。見慣れない女の子。可愛いね。だけどその目の光や、態度が、誰かに似てた……誰だろう。……ああ。そうか。そっか。唯一守らなくてもいいものに似てるんだ。……でもこの子を守れたら……


 神様って、なんだろね。何でこんな巡りあわせさせるんだろうね。


 わかったね、ミコちゃん? 貴方はこっちに来ちゃだめだよ。


 そういって、リディアさんが私をどこかへ突き落す。そしてプツリと意識が途切れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。