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神様! TRPGの世界にPL-私-を突っ込まないでください! ~ルルブ知識と夢回想イベントだけで1万の軍勢を10万に勝たせろなんて無謀じゃないですか!?~  作者: mizuchi_0307
神様の意図

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神様! 夢回想はTRPGの醍醐味ですよね!

 重い! 重いです! 神様! この回想シーンは重い上に情報過多です! なんですか、何でここにきてしっかりTRPGしてくるんですか!? TRPGあるあるじゃないですか、寝たら回想シーンって!! 異世界転移物って転送された先でこういうこと起きないでしょ!? きちんと他のキャラクターが見てたりするじゃん! 何でしっかりここはPLに見せる形で演出するんですかああああああ!?


 さて、気を取り直そう。流石にね。ゴッハラ(※ゴッドハラスメント)に対するクレームは入れなくちゃいけないとは思うんだけど内容は内容で大事だからね。夢の中で私は、トーマスって呼ばれてたから、私が知らないゼーレン防衛隊の人の視点での夢だよね。これ。

 多分……強化人間になった時の出来事、だよね。他人の視点だって、最初から気が付けていたから耐えられたけど、あんなの普通の人じゃ無理だよ。これが、戦争なんだ……この世界の日常なんだ……でもさ、これ誰か、悪い人、いる? 途中から途切れ途切れしか会話は聞こえなかったけど、リディアさんもゲルドさんもトーマスさんを助けるためには動いてる。やり方はその、なんとも言い難いけど。でも助ける方法あったかなって考えるとなぁ……責められないと思うんだよね……


 これを神様が見せた意味、なんだろ? 私が転移させられた理由と関係あるのかな? きちんとこれは考えた方がいい。あとはこの後、作戦がどうなったのかを報告に来るであろうリディアさんとどう話すか、だね……

 いやぁ……流石に、これ見た後に今までと同じようにリディアさんのこと見るのは難しいよ!? 無邪気な振りをして冷静、まではあってたけど、その冷静さがみんなのための思いやりとか、「鮮血の処刑人」の異名とあまりにもかけ離れてて公式にルルブ詐欺って言わなくちゃいけないレベルで困る! そんなもんなのかもしれないけどさぁ……


「えっと。ミコちゃん? 朝からどうしたの? 変な夢でも見た?」


 はっ! セシリアさああああああん! そうなんです! 変な夢を見ちゃったんですよおおおおお! じゃないない。そうだよ。これのせいでセシリアさんにも確認するべきことが2つ出来ちゃったんだよ!!


「あの、その。確かに変な夢は見たんですけど。その上で。セシリアさん。朝ごはんの前に2つ確認いいですか?」


「え? ええ……」


 なんですか、その貴方にしては珍しく真剣ね、と言いたげな表情は。私だってですね! セシリアさんが何言いたいのかは何となく把握できるようになってきてるんですからね! 見くびらないでください!


「じゃあ1つ目です。セシリアさんは先日さらっとゼーレン防衛隊の主力メンバーが強化人間って言いましたよね。その上で、何でゼーレンにとどまっているんですか? 貴方、嫌いですよね、強化人間。」


「……っ!」


 セシリアさんには悪いんだけど、これははっきりさせなくちゃいけなくなった問題。セシリアさんはゼーレンの味方なのか敵なのか。ゼーレンの、何の情報を王国に流しているのか。これがゼーレンの強化人間の事であるなら……ごめんなさい。セシリアさんにはこれ以上は何も話せなくなっちゃう。本当、都合が悪そうな顔をしてる……そうだよね。好き嫌いの問題を何で知っているの、もそうだし、自分が目的を果たしたのにまだ王国へ戻らない理由なんて、もしも私が王国側の人間だったら話せないと思う。だけど、セシリアさんは私が放浪民だって定義づけてくれた以上は、その理由で話せない、はセシリアさんの中でも矛盾が生じてしまうから持ち出せない。……セシリアさんは何だかんだで天然で正直者だから。


「どうなんですか?」


「貴方から、こんな真剣な問いをされるとは思わなかったわ。でもあいにく、私は王国のスパイなの。貴方も知っての通り。好き嫌いで行動をしているわけじゃない。」


「そうですか……」


「だけど。」


 ため息か……つきたくもなると思う。それだけの質問をしたつもりだし。


「……だけど、貴方の言う通り強化人間は嫌い。正確には強化人間を作るために人を壊している……その事実が嫌い。だけど、私は調査の中でゼーレンの強化人間達は自ら受け入れたと聞いたの。私は、その真偽がわかるまではスパイとして活動すると決めたのよ。もっとも。こんなことを素直に本国に伝えたわけじゃないわ。公国はゼーレンが中心となって軍事開発を行っているようだ。その中心がザメック博士であるからその監視。という名目にはしてる。……満足?」


 なるほど。優しいセシリアさんらしいね。強化人間にしたら精神的に異常をきたしてしまうから、結果としては人を壊す、は間違いないね。そんな技術が嫌い、か。うん。やっぱりセシリアさんは女神だよ。見た目も心も。ちょっとずる賢いけど。じゃあ……スパイ。やめてもらおっか。セシリアさんがスパイを続ける理由がゼーレン防衛隊が強化人間になることを受け入れたかどうかを知ること、だったら私は答えを持っているもの。


「セシリアさん。ゼーレンの強化人間が自分で強化されることを受け入れたのかどうかは、少しだけ私は知っているよ。……んとね。受け入れざる得ないのが、ゼーレンの状況だった。かな。今はどうかは本人たちに直接聞く以外はないと思うんだ。素直に、正直に話して。」


「貴方、それをどうやって!」


 そうだよね。私がそこまで知っているなら公国に精通してないが嘘になるもんね。だから……


「そうだなぁ……うーん。そうだ、巫女ってことにしときません?」


 貴方が誤解したこれを使います。


「貴方ね、これは重要な質問なの! はぐらかさないで!」


「でも事実なんですよ。その。これは私も今日になるまで知らなかった話なので。」


「……え?」


「『神託』を受けた。信じてもらえませんか?」


 流石に、難しいかな……? だけど、これが限界だよ、神様! あの内容をセシリアさんに自然に伝える方法なんて! しかもこれかなりこじつけだもんね。アルバーン戦記TRPG2.0にはキャラクタークリエイトの時に種族と所属国家と職業を設定する必要がある。その中の職業に巫女は確かに存在する。巫女の神託ってスキル、確か1シナリオに1回、GMからヒントがもらえる、みたいな内容だったはず。それをTRPGの世界に置き換えた場合、どこからどこまでが1シナリオか、なんかわかりやしないから、多分、世界的に神託って言って予言みたいなことをしている人達がいて巫女と呼ばれてる、という解釈になるはずなんだよね。だから今回ばかりはその設定に乗っからせてもらう方がセシリアさんも納得しやすいと思うんだよね。


「貴方、巫女じゃないって言ったじゃない?」


「あの日は私も知らなかったんですよ! 覚醒したんです、覚醒!」


「覚醒って、貴方ね……」


「でも、どうやって、って言いましたよね? 信じる根拠はあったんですよね?」


「それは……」


「その、わかりますから。不審なのはよくわかってますから。でもお願いします。私、セシリアさんとは敵対したくないし、ゼーレンの人たちも救いたいんですよ。だから、セシリアさんが敵か味方かははっきりさせたかったんです。」


 あんな夢を見てしまった以上。私はこのゼーレン事変の終わりまでしっかり見届けないと私が満足できなくなっちゃった。みんながよかったねって言い合える終わりを見届けたい。


「……そういうこと、ね。確かに貴方からしてみれば、私の方がゼーレンにとって敵か味方かわからない存在……言われてみればそうだわ。」


 セシリアさん……自覚はやっぱりあるよね。自分がどっちつかずな存在だっていう。多分、セシリアさんも悩んでいるとは思うんだ。ルルブの記載通りならこの人は、5年後もゼーレンにいる。それが悩んでいる最中なのかそれともきちんと区切りをつけたのかはわからないけれど。それでも「スパイ」とルルブに明記されるぐらいには立場は曖昧にしている人ではある。だから……ゼーレン側にたつって決めた私と同じ側にいるのかは確認したいんだ。


「わかった。貴方が言ったことを、信じるわ。」


「セシリアさん!」


「でも、貴方も知っての通り、私もずるい大人だからね。今から言うこと、信じてくれればって条件を付けていい?」


「なんでしょう?」


「私ね、ゼーレンに家族を連れてきて暮らそうと思ってるの。この10万の兵を退けることができたなら、多分、この世で一番安全でしょう。ここ。」


「……」


 え、ええぇ……セシリアさん……? 物凄く打算的なこと考えていらっしゃった……? た、確かに、こういう考えの人だと、王国に戻らないし、何だったら、二重スパイ状態に移行してもおかしくないような……


「がっかりした?」


「えーっと。正直少し。」


「ふふっ。だから話したくなかったのよね。でもちょっとすっきりしたわ。それで、これで問題はあるかしら?」


 本当すっきりした顔してるね、セシリアさん! 本当は誰かに打ち明けたかったでしょこれ! でも……


「いいえ、全然問題ないです! セシリアさんが味方で嬉しいです!」


「ふふっ、私もよ。それで、貴方が知りたい2つ目って何?」


 ……うーん。この質問。もしかして先の方がよかったかな? でも私にとっては重要度はこっちの方が上なんだよなぁ……でもこの空気で言っていいのかな? 私がどうして知りたいのかっていう理由が話せないからこそ、とってもくだらない質問に聞こえちゃうんだけど……ま。しょうがないか。


「あ、はい。その。トーマスさんってイケメンな眼鏡ですか?」


「…………え? ごめんなさい。よく聞こえなかったわ。イケメンとか、そんな単語言ってないわよね?」


「いえ、言いました。トーマスさんってイケメン眼鏡ですか?」


「…………えーっと…………」


 そりゃ、沈黙するよね。誰にとってのイケメンかも関わるし。でも私にとっては重要な質問なんだよね。


「うーん……その。私の、趣味でいい?」


「はい。それでいいです。」


「……イケメン眼鏡よ。」


 そっか。セシリアさんから見てもイケメン眼鏡ならきっと間違いないね! さて、そうなると。トーマスさんの設定は夢で経験できた通りとなる。見た目だけ、自分がトーマスさんだったから見えなかったから確認する必要があって、そのためにもセシリアさんからトーマスさんの見た目の情報を確認する必要はあったんだけど。これさえ揃えば一つ大きな仮説をおけるんだよね。


 神様はこのシナリオクリアに追加サプリを必須としていない。救済措置を用意していた。


 理由は、トーマスさんが「間違いなく」追加サプリのNPCだから。理由は乃華ちゃん。乃華ちゃんは無類のイケメン眼鏡フェチ。乃華ちゃんが『ファルシア公国紀』を進めた理由、それは。トーマスさんが載ってるから。多分これ。確かに他の設定もかなり濃そうだけど、ルルブに居なくて自分の推しがいるんならそりゃ勧めるよね。この事実によってさらにセシリアさんが過去に発言した内容についても可能性が高くなる事項がある。


 バルド、サイラス、ディオン


 この3人も恐らく『ファルシア公国紀』にだけ記載のあるNPC。そうなれば神様は公式NPCだけを出してる形になる。つまり。自作シナリオだろうが公式シナリオだろうが、まともなGMやシナリオ作者なら。NPCの公式設定を破ることはないし、壊さない上で過去シナリオをしようとした場合、公式の結末の「大枠」は弄れない。だから神様は私がこのシナリオをクリアできるように、追加サプリを持っていない私に対して『夢』という形で救済措置をとった。もしかしたら夢という形ではなかったにせよ、どういう形で伝えるかをあのダイスで決めた……が一番しっくりくるわ。

 うん。大分整理ができたね。でもさすがに朝ごはんをそろそろ食べたいなぁ……


「おはよう、セシリア、ミコちゃん。起きてるかな~? お礼参りにきたよ~?」


 リディアさん!? ちょっと待ってください。なんですか、その不穏な単語は! なんですか、その鍵は!?


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