↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
9/20

初依頼達成?

 ゴブリン討伐を終えた彩乃と百合は、王都への帰路についていた。


 夕暮れの街道を、リラとルラがゆっくりと歩く。


「キュイっ!」


「キュルルっ!」


「今日はありがとう。」


 彩乃がリラの首を撫でる。


 リラは嬉しそうに鼻を鳴らした。


 百合もルラの背中を優しく撫でる。


「ルラも頑張ったね。」


「キュルル~♪」


 二頭は尻尾を左右に振って喜んでいた。


 その日の夕方。


 王都冒険者ギルド。


 受付へ魔石を提出すると、受付嬢は数を確認して驚いた。


「全部で十三体……。」


「依頼は十体だったはずですが……。」


「途中で増えちゃって。」


 百合が苦笑する。


「なるほど……。」


 受付嬢は笑顔で頷いた。


「討伐確認できました。」


「これで初依頼達成です。」


「おめでとうございます!」


 パチパチパチ。


 ギルドの中から拍手が起こる。


「新人で初依頼成功か!」


「しかも無傷だぞ!」


「やるじゃないか!」


 彩乃と百合は少し照れくさそうに笑った。


 その時だった。


 ギルドの入口が勢いよく開く。


「ギルドマスター!」


 一人の男性冒険者が飛び込んできた。


「大変です!」


「落ち着け。」


「どうした。」


「王都北部の森です!」


「大型オーガが現れました!」


 ギルド内の空気が変わる。


「オーガだと?」


「しかも二体!」


「近くの新人パーティーが逃げ遅れています!」


 ギルドマスターはすぐに立ち上がった。


「Bランク以上、出動!」


 その時。


 彩乃が一歩前へ出た。


「行きます。」


「……何?」


 ギルドマスターが目を丸くする。


「でも君たちは……。」


「初依頼が終わったばかりだ。」


 百合も頷く。


「助けられるなら助けたいです。」


 ギルドマスターは少し考えたあと、小さく息を吐いた。


「分かった。」


「ただし絶対に無茶はするな。」


「危険だと思ったら騎士団へ任せるんだ。」


「はい!」


 彩乃たちはすぐにリラとルラへ飛び乗る。


「リラ!」


「キュイっ!」


「ルラ!」


「キュルルっ!」


 二頭は勢いよく駆け出した。


 北の森。


 そこでは三人の若い冒険者が巨大なオーガ二体に追い詰められていた。


「くっ……!」


「もう魔力が……!」


 オーガが巨大な棍棒を振り上げる。


 その瞬間。


 ドォン!!


 青い衝撃波が地面を走った。


 オーガの棍棒が真っ二つになる。


「なっ!?」


 土煙の向こうから現れたのは彩乃だった。


 透明なブルーの聖剣を肩に担ぎ、小さく息を吸う。


 百合が横で苦笑する。


「彩乃。」


「うん。」


「始めるね。」


 彩乃は聖剣をゆっくり構える。


 すると急に目つきが変わる。


「我が魂に眠る蒼き覇道よ……。」


 百合は小さくため息をつく。


「始まった……。」


 彩乃は剣先を天へ向け、高らかに叫んだ。


天地創世(ジェネシス)蒼煌絶界終焉(ブルーエンド)断罪覇王閃(ジャッジメント)


「…………。」


 一瞬だけ森が静まり返る。


 逃げていた冒険者も。


 追い付いてきたギルドマスターたちも。


 全員固まっていた。


 百合は顔を手で覆う。


「長いよぉ……。」


 彩乃は気にせず聖剣を振る。


 ズバァァァァン!!


 蒼い巨大な斬撃が一直線に走り、二体のオーガをまとめて吹き飛ばした。


 轟音とともに木々が大きく揺れる。


 土煙が晴れると。


 二体とも完全に◯んでいた。


 森は静まり返る。


 数秒後。


「す……すげぇぇぇぇ!!」


 冒険者たちが歓声を上げた。


「一撃だ!」


「オーガ二体を!」


「しかもあの技名なんだ!?」


 百合は彩乃へ歩み寄る。


「ねぇ。」


「ん?」


「技名、もう少し短くならない?」


 彩乃は真剣な顔で首を横に振る。


「それは無理。」


「技名は勢いが大事だから。」


 百合は苦笑するしかなかった。


 リラとルラは駆け寄り、


「キュイっ!」


「キュルルっ!」


と嬉しそうに鳴いた。


 こうして彩乃と百合の名は、王都の冒険者たちの間で少しずつ知られ始めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
天地創世・蒼煌絶界終焉断罪覇王閃ww すごく面白いネーミングセンスですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。