最強守護神の黒猫、最近の流行を勘違いしてアスタリスクまみれになる
「守護神様!! 西区画に魔獣が!!」
騎士団長が叫ぶ。
ふくはソファの上でゆっくり目を開けた。
『……来たか』
「何が」
『イベントが』
黒い神威が溢れる。
空気が震える。
カーテンが揺れる。
なぜか風も吹く。
「演出過多なんだよ」
ふくは窓辺へ飛び乗った。
そして。
『――*整え*るか』
「うわ出た」
空気が張り詰める。
兵士たちが息を呑む。
『*守護神モード*』
「その表示いる?」
『*圧倒的格の違い*』
「ダサいって!!」
ふくは黄金の瞳を細めた。
『*完全覚醒*』
「だから何なんだよ!!」
ドゴォォォォン!!
魔獣が城壁を破壊する。
兵士たちが悲鳴を上げた。
「守護神様ぁぁぁ!!」
「王都が!!」
だがふくは動かない。
『……まだ早い』
「何が!?」
『*溜め*が必要だ』
「演出に命かけるな!!」
さらに。
『*ここからが本番*』
「アスタリスク多いな!?」
『*最終形態*』
「猫の形変わってないだろ!!」
ユキトは頭を抱えた。
「どこで覚えたんだよそれ……」
ふくは真顔だった。
『最近の流行らしい』
「絶対違う」
『*読者が盛り上がる*』
「雑な解釈!!」
次の瞬間。
ふくが前足を上げる。
『*猫パンチ*』
「技名そのまま!?」
ドォォォォン!!
巨大魔獣が遥か彼方へ吹き飛ぶ。
ついでに山が消えた。
「被害増えてる!!」
静寂。
ふくは満足そうに頷いた。
『*整えただけ……*』
「囲むな!!!」




