11歳 ダンジョンはまるでゲーム
今日は短いです、ごめんなさい。
あと、子犬?を修正しています。
10歳の誕生日を迎えた後、父さんに連れられて初めてダンジョンに潜った。流石に生き物を殺すのはどうなんだろう、と思ってたけど、父さん曰く「ダンジョンは転生神様が民に魔石を供給する為に作ったゲームで、実際に魔物は生きている訳ではなく更に怪我をしてもダンジョンを出たら治っていて、ダンジョン内で死んだらGAME OVERという表示が目の前に出て持っている魔石を全部取り上げられ外に放り出されるが死ぬ事は無い」というセーブが出来ないのと実際に痛みを感じる以外は完全にゲーム仕様で、多少遊んでいませんか転生神様的なものだった。
ちなみにダンジョン外、つまり普通に外にいる魔物は生きているしやられたら怪我もするし死ぬ事もある。父さん達が普段討伐しているのは、各地に無数にあるダンジョンの中でフェンリルが全滅したダンジョンから魔物が外に溢れ出して本物の肉体と命を得て外に逃げ出してしまった、いわゆる野良魔物なんだそうだ。
ちなみに普通の状態でフェンリルが全滅する事はまず無い。フェンリルの美しい毛皮に魅せられた人達がフェンリルを乱獲し、毛皮を剥ぎまくって売りさばいていた時期があり、その時にフェンリルが全滅するダンジョンが多発し、ダンジョンから魔物が溢れ出す事により誕生した野良魔物が外で繁殖した結果、今のようになったらしい。乱獲した奴らの所為で皆が迷惑することになった、と父さんが珍しく愚痴っていた。
「ダンジョン内のフェンリルは、ダンジョン内の魔石を食べている。幸ももしかしたら、魔石を食べたらどうにかなるかも知れんが……確証はない」
幸がどうにか長く生きられる方法は無いか父さんに尋ねた時に、もしかしたら魔石を与えたらどうにかなるかもしれない、と教えて貰った。愛玩用や毛皮用に捕まえたフェンリルに、わざわざ魔石を与えるような酔狂な者はいない。
だから可能性はある、と。
ためしに父さんが十数個ほど幸に最低ランクの魔石(だいたいパチンコ玉位の大きさ)をあげた所、今まで全然見た目も体重も何もかも変わらなかった幸の体重が、十数グラム増えた。
単なる誤差かも知れないと言われたけど、その後の検証の結果、最低ランクの魔石1つにつき幸が1グラム成長する事が判った。
実際に幸の魔力保有量が増えている。たった1グラムでしかないが、それでも積み重ねていけば幸は成長し続け、寿命が延びるかも知れない。先生が診察し、そう言ってくれた日から、週に1日は必ずダンジョンに潜るようになった。父さんも母さんも一也も當間の小父さん小母さんも、凱さんも結奈さんも、他の冒険者のみんなも、魔石を寄付してくれるようになった。
その結果、幸は1年で4キロも体重が増えた。今では立派なフェンリルだ。
成長は途中で止まったけど、魔力は今でも増え続けている。このまま十年位頑張れば、ダンジョンのフェンリルと同じ位の寿命を得られるかもしれない、と先生も言ってくれた。
「さーて、今日も頑張ろうね、幸、一也」
「わふぅ!」
「おう、張り切っていくか!」
今では立派にうちのパーティの一員だ。一也がその体躯を生かして壁役、幸がアタッカー、俺は後方で回復や援護、異能での攻撃をおこなっている。
今では多い日で1日に10個魔石を取ってくる事が出来る、中堅パーティとしてある程度認知されるようになった。ちなみに全員冒険者ランクもCまであがった。
この間、流石にそろそろステータスを確認しておきなさい、と母さんに言われみてみたんだけど。
レベル 63
現在体力 5,885
最大体力 (920+63)×6=5,898
現在精神力 9,235
最大精神力 (1,480+63)×6=9,258
異能 水・地・闇(最大体力及び精神力×6)
技能 言語神級(最大精神力+320)
農業神級(最大体力+320)
琉球古武術特級(棒術・箒術・ジーファー術)(最大体力+160)
文学特級(最大精神力+160)
投擲特級(最大体力+160)
家事特級(最大精神力+160)
芸能上級(最大精神力+80)
算術上級(最大精神力+80)
薬術上級(最大精神力+80)
解体上級(最大体力+80)
医術上級(最大精神力+160)
礼儀上級(最大精神力+160)
常識中級(最大精神力+40)
格闘中級(最大体力+40)NEW!
従魔特級(最大精神力+160)NEW!
治癒中級(最大精神力+40)NEW!
索敵中級(最大精神力+40)NEW!
健脚上級(最大体力+160)NEW!
……なんか凄い事になってた。あと、格闘、従魔、治癒、索敵、健脚が増えていた。従魔は幸が一緒にいるからで、健脚は毎日の積み重ね(農業とかダンジョンとか)で増えると言われたが、何か凄い。いや父さん母さんはもっと凄い事になってるんだけど。父さんなんて、体力がこの間4万超えたって言ってたし。
「さぁて今日は5階を目標にするぞ!」
「わぅー!」
「ん、頑張ろう」
ダンジョンは現在踏破されている36階までの地図が売られているが、階が下になればなるほど地図の値段もあがるし難易度も跳ね上がる。正直10階とかになるとレベル100以上の猛者じゃないと無理なので、俺達はこつこつ確実に魔石を持ち帰る事が出来る階層で励んでいる。
まぁ、それが気に喰わない輩もいる訳で。
「まだそんな階層にいるの?本当に弱いわね貴方達」
「げっ、また出やがった嫌味ブス」
「誰が嫌味ブスですって!?」
「性格不細工でもいいが」
あの時俺を貶してランクダウンさせられた、クラン・戦乙女のクリスティア嬢。再修業として罰則を受けたにも関わらず、まだこうやっていちいち突っかかってくる。
「行こうぜ、勇希。こんな屑の相手している時間がもったいない」
「何ですって!?」
最近じゃこの言い合いにも慣れた。慣れざるを得ない程突っかかってくる。
それに、数分程度で。
「貴様いい加減学習と言うものが出来ていないようだな?」
「きゃぁっ!?何をするのよこの変態!!!」
凱さんが首根っこひっつかんで引きずって連れて行くから、気にするのも面倒。
というか、あれ、単に。
「恋愛偏差値が小学校低学年レベル……」
「いきなり何言ってる、勇希。とっとと行くぞ、全くあの性格不細工の所為で時間くっちまった……」
「わふぅ」
俺じゃなくて一也目当てで来ているんだと思う。好きな子にかまって貰いたくてあれこれ罵倒している、みたいな感じに見える。まず一也にしか話しかけないし耳真っ赤だしむきになってるし。
周囲の冒険者達も何だか最近生温い目でクリスティア嬢を見るようになった。実に残念な子だ。凱さんも手を焼いてる。
「そろそろ大人になろうよって今度声掛けしてあげた方がいいかなぁ」
まぁでも、あんな口の悪い子じゃとても俺の大事な相棒はあげられないけどね。
諦めて貰いましょう、うん、そうしましょう。




