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8-6 長命種と、属性と


いつものように薬草採取に出かけ、


昼前に戻ってくると、


リビングでエルフが食事をとっていた。


「お、いつも薬草採取に精が出るのう」


「珍しいですね、こんな時間に起きてるなんて」


「ちょっとギルドに呼び出されておっての」


「一人で?」


「黒装束の件じゃよ」


エルフが続ける。


「尋問の記録を見て欲しいと依頼があっての」


「あの連中が使っていた言葉に、


 見慣れない文言があったらしい」


「過去に似たような事例が無いか、


 確認してほしいとの事じゃ」


「長く生きとるとそう言うことも多々ある」


「なるほど、エルフさん物知りですもんね」


「まあな、しかし、こういうのはワシより師匠の得意分野なんじゃが」


「師匠、ですか?」


「そりゃおるよ、ワシにも」


「ワシの知識の大半は師匠からの受け売りじゃからな」


「エルフさんの師匠ともなると、


 何歳なんですか?」


「知らん」


エルフがあっさりと言う。


「五百年前の時点では、


 何千年生きてるとか言ってたが」


(長寿すぎて想像つかない…)


「じゃあさすがにもう……」


タイチが言葉を選びながら聞く。


「いや、ワシとはまた種族が違うのでな」


「生きてはいると思う」


「ただ」


エルフが少し間を置く。


「白虎朱雀大戦の頃から、


 音信不通なんじゃ」


白虎朱雀大戦。


この世界では子供でも知っている有名な話で、


聖女さんも子供の頃から聞かされていたと言っていた。


英雄譚とかお伽話みたいな扱いなんだろう。


でも初めて聞いた時は普通にびっくりした。


「前にも聞きましたけど、


 白虎ってケセモッサのことですよね」


「そうじゃ」


「あの大戦の時は色々とあったからのう」


「白虎朱雀大戦に加えて、


 世界滅亡の危機とか、色々と重なって」


(世界滅亡の危機って、、)


それも気になるが、白虎朱雀大戦も気になる。


「完全なお伽話ってわけでもないんですよね」


「ああ」


エルフが頷く。


「ワシは実際の姿は見ておらんが」


「当時の人々は恐れ慄いておったからの」


「資料店や王城のサロンに行けば、


 絵があるんじゃないか」


「そのケセモッサが獣人の祖先なんですよね」


「いや、獣人はその前からおった」


「だが、今より獣寄りでのう」


「乱暴で人語を解さず、


 人とは共存しておらんかった」


「ケセモッサは知能も高く、


 それを獣人に分け与えたとも言われておる」


「ケセモッサ以降からの獣人が、


 今のお主の知る獣人族じゃな」


「ケセモッサ氏族とか言ってましたっけ」


「そうじゃな」


「結局、エルフさんは氏族とか関係ないんですよね」


「あれはバルキリーの飲み会の鉄板のネタなんじゃが」


「ネタだったんですか」


「酒が入ってる時でないと出来んがの」


笑いながら言う


「あ、すいません」


「呼び出されてるのになんか長話しちゃって」


「かまわんよ」


「まだ聞きたいことはないか?」


「あ、でも呼び出しが」


「大丈夫じゃ」


「朝に来いと言われておったから」


「今から行っても後から行っても、


 さほど変わらん」


(もう昼前です)


そうしてエルフを見送った。


しばらくして、娘が起き出してきた。


「エルフ見なかった?」


「なんかギルドに行くって出て行ったけど」


「あーそうなのかあ」


少し残念そうにする。


「どうしたの?」


「いや、暇だったらエルフの使ってる魔法見せてもらおうかなって」


「どうして?」


「前に鉱山で治癒魔法覚えさせられたじゃない?」


「あれは急だったね」


苦笑いしながら


「ほんとよ」


「でも使えるようになってたよね」


「あたし聖属性じゃないのに」


「その聖属性とかの属性ってよくわかんないんだけど」


「水晶とかで鑑定してもらうと


 その人の使える属性がわかるんだけど」


娘が続ける。


「この世に存在する要素の事で


 火とか水とかは聞いたことあるでしょ?」


(それは聞き齧りのラノベ知識であるけど)


「あー聞いたことはあるなぁ」


「それの要素で飛び抜けてるのがあれば


 それがその人の属性になるのよ」


「あたし、特に飛び抜けた属性なかったのよね」


「飛び抜けてないと使えないの?」


「使えないこともないんだけど


 飛び抜けた人には敵わないわね」


「例えば、魔法使いなんかは絶対火が飛び抜けてると思う」


「確かに」


そこに魔法使いが起きてくる。


「我は…火だけじゃない…」


「全部…平均…」


「そうなの?」


「いつも火系統ばっかりじゃない」


「あれは…見てて気持ちいいから…」


「……」


「それでエルフの魔法は?」


「あれは闇よね」


なんかよくわからない黒いのを出してるエルフを思い浮かべる


「使えるの?」


「わかんない、でも使えないと思ってた聖属性の治癒が使えたから」


「試してみようかと思って」


「もし使えたらラッキーじゃない?」


そこにロリ猫も起きてくる


「なんの話にゃ?」


「魔法の属性の話」


「猫さんは属性あるの?」


「あー、ウチは風と土だったかにゃ」


「使えるの?」


「ウチはどっちかと言うと補助的な感じにゃ」


「風のように早く動くとかにゃ」


「なるほどね、身体強化の類なんだ」


娘が納得する。


そして剣士が起きてきた


流れで、剣士にも聞いてみる


「剣士さんは魔法の属性あるんですか」


「知らん」


「魔法とか」


「知らん」


「え、調べたりしないんですか?」


「剣士にそんなの要らん」


すると娘が


「でも魔法剣士とか、聖騎士とかあるじゃない」


「要らん」


「目の前の敵を叩っ切る筋肉があればいい」


(あー、脳みそも筋肉のタイプの人だー)


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