3-6 討伐報告と、圧と
魔法使いが収納魔法のようなもので、
ゴブリンの頭を回収していく。
大量のオークの死骸がギルドに運ばれていたのは、
この魔法だったのだろう。
エルフは巣のあったところで、
何やら調べていた。
(一応、やることはやってるんだな)
聖女はひっくり返った猫型の獣人に、
回復魔法のようなものをかけている。
犬型の女の獣人は、
「いいとこ取られちまった」
と、戦い足りない様子だ。
その間も、どんどんゴブリンの山が収納されていく。
それを見て、
(あれ、便利だな)
ふと、アイテムボックスの存在を思い出す。
考えたらお金の出し入れと、
スマホの出し入れにしか使っていなかった。
試しに目の前のゴブリンの首を意識する。
シュッと消える。
もう一度、意識する。
シュッ。
今度は二個同時。
シュッ。シュッ。
楽しくなってきた。
シュッ。シュッ。シュッ。
さらにもう一度。
シュッ。
アイテムボックスを確認すると、
なんかゴブリンの首のアイコンが、
ずらっと並んでいる。
(ひっ!気持ち悪い!)
慌てて元に戻す。
「何やってるにゃ!」
回復魔法で我に返った猫型の獣人が声をかける。
「いえ!何でもないです」
「にゃ、まだここにもゴブリンが残ってるにゃ」
魔法使いがシュッと収納する。
「例え一匹たりとも無駄にはしないにゃ」
エルフも気付けば戻ってきていた。
「じゃあ、帰るにゃ!」
と、帰路に着くことになった。
そして気づく。
やはり何も持たされていない。
(荷物持ちとは一体…)
――
「だから!!」
受付嬢が憤慨していた。
「討伐証明は右耳だけでいいって何回言ったら分かるんです!?」
ギルドの敷地に運び込まれた、
大量のゴブリンの首。
「だって、触りたくないし…」
魔法使いが不満そうに言う。
奥ではエルフが、
別のギルド職員に説明をしていた。
猫型の獣人は、
「数はこれの二倍、いや三倍は居たにゃ」
「だから報酬も三倍が妥当にゃ!」
と、これまた別の職員を困らせていた。
聖女は、
よその冒険者にナンパされて、
にこやかに応じている。
その足元から、
じわりと聖なる光を見え隠れさせている。
冒険者は灰になる危機を迎えていた。
犬型の女の獣人がタイチに言った。
「どうだ?うまくやっていけそうか?」
「…」
「…」
戻ってきた猫型の獣人も、
「やっていけるにゃ?」
エルフも、
「やっていける」
魔法使いも、
「大丈夫」
聖女も笑顔で、
「無理ですかぁ?」
と、聖なる光が漏れ出してくる。
「…」
その圧に耐えきれず、
「やって、行けそう、、です…」
「だろ!」
「にゃ!」
「うむ」
「だな」
「ですぅー」
「頼むぞ!お試し荷物持ちくん!」
(断れなかった…)




