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3-5 荷物持ちと、ゴブリンと


朝。


ギルドでバルキリーと待ち合わせる。


とりあえずお試しとして、クエストに同行しろと言われた。


それなのに、誰も居ない。


しばらくして、エルフがやってきた。


「すまん寝坊した」


続いて、聖女と魔法使いがやってくる。


最後に来たのは、獣人の二人だった。


獣人の二人は朝が弱いのだろうか、

まだ眠そうにしている。


「ウチらは夜型だから朝は辛いにゃ」


(じゃあなんで朝の待ち合わせにしたんだろう…)


――


初めて薬草採取以外のクエスト。

ゴブリン討伐。


最近、森の奥でゴブリンが群れていると

情報があったらしい。


受付嬢が淡々と説明する。


「――以上となります」


「オッケーにゃ」


話を聞いてたのか聞いてないのか、

あくびをしながら返事する。


「さ、出発するにゃ」


と、何も持たされないまま、同行させられる。


(僕、荷物持ちなんだよね?)


森に向かう道中で、


犬型の女の獣人が呟く。


「オークの次はゴブリンか…」


「ゴブリンはめんどくさいにゃ」


「あと、いやらしいんだよな。あいつら」


魔法使いがそう言うと、聖女が


「女性の敵ですぅ」


とプンプン怒る。


「それに臭い」


エルフが嫌そうな顔をする。


臭いと聞いて、

自分が臭くないか気になってしまった。


(昨日はちゃんとお風呂入ってる。よし)


――


ゴブリンは単体では弱いが、

数がオークの比ではないらしい。


群れでかかってこられると非常に厄介だと、

受付嬢が言っていたのを思い出す。


――


しかし、


戦闘は一方的で、凄惨だった。


タイチは、少し引き気味でそれを見ていた。


犬型の獣人は、

ゴブリンの群れに臆することもなく突っ込んでいく。


そして、ゴブリンだったものが次々と宙を舞う。


すると、すぐ後ろから、


「いや〜ん」


と声がする。


振り向くと、また聖女がやられていた。


群がるゴブリンに衣服を引っ張られ、

肌が露わになっている。


(あ、)


これは見てはいけない。


躊躇していると、


「ばっか、離れろ!」


と、前方でゴブリンを狩っていたはずの

犬型の獣人に勢いよく引っ張られる。


その瞬間、


聖女から光が放たれ、

ゴブリンたちを一瞬で灰にした。


「お前も灰になるとこだったぞ」


「え、あれって魔物以外にも効くんですか?」


「ああ、だからタチが悪い。

 気をつけろよ」


(さっきまで前にいたはずなのに…)


バルキリーの異常さが際立つ。


魔法使いは、


「わははははは!爆ぜろ!弾けろ!」


ゴブリンに不相応な大きな爆発で仕留めている。


エルフは弓を背負っているのに、

なにか札のようなものを使っている。


札に触れたゴブリンは混乱したかのように、

お互いを斬りつけ合い、自滅していく。


(やっぱり、弓は使わないんだ)


猫型の獣人は木の上から、


「そっち!違う!右!違う!ウチから見て右!」


と指示を出す。


すると突然、


「血がたぎって来たにゃー!!!」


と、言ったかと思うと、


木の上から飛び降りた。


犬型の獣人は聖女とタイチを抱えて、

一気に木の上に駆け上がる。


横を見ると魔法使いもエルフも木の上に居た。


地面に降りた猫型の獣人は、

目にも止まらぬスピードでゴブリンを殲滅していく。


「あれは一体なんなんですか?」


「あれは、その、なんだ、獣人特有のスキルと言うか、技というか…」


(あ、この人、説明苦手なんだ…)


そうこうしている間にゴブリンは全滅していた。


なのに猫型の獣人は止まる気配を見せない。


「で、あれはいつ止まるんですか?」


「まあ、いずれ…」


と言った瞬間、


ゴーンと大きな音を立てて木にぶつかった。


そしてそのまま目を回して、仰向けにひっくり返って止まった。


そして犬型の獣人は、

親指を立てて言った。


「な?」


ホントにわかってたんですか、と疑いの眼差しを向けると、


目を逸らした。


(ホントにこのパーティー大丈夫なんだろうか)


ただ、不安だった。

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